「高瀬舟」が高校の教科書に載っていて、森鴎外にはそのイメージしかないのですが、「安倍一族」、おもしろそうだなと読ませていただきました。
江戸時代を小説の舞台に据えると、そこになにが描かれていても「時代小説」や「歴史小説」にジャンル分けされそうな現代では、相当の歴史好きでもない限り、殉死は不可解な風習だとしか思えないんだろうな、とも思いました。
作者からの返信
ありがとうございます!
『高瀬舟』、載っていましたね。これは最晩年の作で、鴎外の到達点としてやはり読む価値が高いと思います。『阿部一族』は、そこへ達するための重要な分岐点だというのが重要な一冊ですし、純粋に読み物としても文句なしに面白いです。
殉死は理解しがたいですよね。まあ江戸時代でも、この物語の舞台となった年代の二十年後ぐらいに殉死は禁止されているので、江戸時代後期には「不可解な風習」になっていたんだろうと思います・・・。
編集済
森鴎外氏、
「ファウスト」や「即興詩人」を読んだはずなんですが、正直あまり印象に残っておらず、、ちょっと距離を感じる文豪さんでした。
けれど「阿部一族」の出だし数行はしびれるほどカッコよく、これは読んでみようかなと思いました。
いつも素敵な作品との出会いを、感謝です✨
作者からの返信
ありがとうございます!
ちょっと距離を感じる文豪さん(^^) ぴったりの表現ですね。近づきたかったら君たちから歩み寄ってきなさい、って言われているような気がするんですよね。
それでも踏んばって近づいてみたら、いいことのある作家だとも思います。
『阿部一族』はほんとにカッコいいですよ。ぜひお楽しみくださいませ!
子どもの頃に読んだ『最後の一句』が確か父親の助命のために子ども全員で代わりに自分達を処刑してくれと願い出る話だったと思うんですが、現在との価値観の違いに当時は共感もへったくれもない、という感じでした……。
九里琳様が森鴎外の武士の精神に対する共感と反骨精神について書かれているのを読み、なるほどなあ、と感じている所です。
作者からの返信
ありがとうございます!
昔の本や、外国の小説を読んだときに、価値観のちがいがあると入り込めないことってありますね。
親を助けるために子が命を投げ出すというお話は、特に中国古典に頻出して「逆だろう(親が子のために犠牲になる、が人情じゃないの)」と思いますが、、儒教の教えとして森鴎外にも流れ込んでいたのかもしれませんね。