第2話

うん。さっきからじっと見られてる。

霧依きりえさんの視線をずっと感じながら授業を受けていた。

時々、殺されそうなくらいの殺気まで感じる。

「ねぇ。寒くない?」

朝、霧依さんと一緒にいた子。

皆岸さんが隣の席でちょっとだけ震えている。


どうして、一緒のクラスなんだろ、、、、、

違うクラスが良かった、、、、

そんな事を思いながら、その殺気と視線をやり過ごす。


かまわないでよぉ。

ひたすら見つめられている事を気にしないふりをして。

僕は2年前の事を思い出していた。



小学4年生の時だった。

「アカリっ!いいから、早くシェルターに行きなさいっつ!」

お母さんが泣きそうな顔をしていた。

「で、もぉ。あれがないのっ!」

「そんなのいいからっ!」

「ヤダっ!あれは、パパからもらった大事な物だからっ!」

僕は必死にパパからもらった少し大きめのぬいぐるみを探していた。

パパが、俺の代わりだと言ってくれたぬいぐるみ。

そのまま、帰って来なかったパパの。

形見。


「絶対持って行くんだからっ!」

「もう、間に合わないからっ!」

ママが金切り声を上げた時。

目の前の空間がゆがむ。

「あ、、、あ、、、、」

ママが目の前を凝視している。

天井が。

屋根が。

何かによって吹き飛ぶ。


空が見える。

目の前の歪んだ空間から、数匹の小鬼が出て来る。

「ゲゲッ」

ママを見て、喜んでいる小鬼。

「こ、、来ないでっ!」

ママが僕の前に立つ。

けど、ママは退魔士じゃないから。

持っているのは、近くにあった掃除機。

武器でもないそれを持ってママは唇を噛みしめていた。


小鬼がにやりと笑い、とびかかって来た時。

目の前が真っ白になった。


『あーーー。これは、やっちまったか?すまねぇなぁ』

真っ白な空間の中。

僕は、僕より小さい子供と対面していた。

『逃げようとしたんだけどよぉ。ギリ間に合わなかったわ』

「き、、、君は?」

『俺か?俺はな、、、ああ。それよりも、お前の身体にちょっと隠れさせてくれよ』

「隠れる?」

『ああ。ほんの100年くらいでいいわ。110までは生きれるぜ。ギネス確定だなっ』

「えっと、、」

『悪い。返事を待ってる暇もなさそうだ。すまねぇな。いろいろと後で教えるわ』

それだけ言うと。

光りが戻る。


目の前に視界が戻った時。

ママは気を失っていて。

小鬼は居なくなっていた。


「大丈夫かっ!」

駆け上がって来た男性が、僕たちを見ていた。

「雷が、小鬼を倒したのか。とりえあえず、非難した方がいい!」


退魔士の男性に抱えられるように。

土砂降りの中。僕たちはシェルターへと避難する事になった。


パパからもらったぬいぐるみは。

すこし焦げていたけれどきちんとおいてあった。


あの時。僕は何かを受け取った。

何か。というしかないのは、何か分からないからだ。

『お前に俺のゼンブをヤルよ。上手く使えよ』

子供の声で笑うように伝えられるのだった。


ゲシッ!


昔の事を思い出してぼーっとしていたのがいけなかったのか。

思いっきり背中を叩かれる。

手刀で。

「気絶しない、、?」

怪訝な顔になっている霧依さん。


いや、叩く場所、間違えてるから。

でも、これは気絶した方がいいのかな。

そんな事を思っていると。

「何を遊んでるのーレイっちが、自分からからみに行くのって珍しくない?しかも男子に」

朝、霧依さんに話しかけていた女子が、間に入ってくれた。

彼女は、<皆岸 きらり>

少し茶色がかった髪の背の小さい女の子だ。

容姿は、タヌキ顔で可愛いといった感じだった。


そこで、初めてお昼休憩に入った事に気が付いた。

すごく長い間ぼーっとしていたみたいだ。

何か考え事をしている彼女は。とりあえず無視する事にした。


「よぉ」

なんとなく一人でご飯を食べていると、ふと声をかけられる。

「なんだよ。康太」

「なんだはないだろ?せっかく一緒に食べてやろっうって声をかけたのによ」

郷本 康太。

名は体を表すじゃないけど、なかなかいい体格をしている僕の友達だ。

柔道をしているからか、太っていても筋肉質だったりする。


「昼からの授業、だるいよなぁ。剣術だぜ」

その言葉に。

僕は食べていた手が完全に止まってしまう。

「ほんとうに?」

「ああ。おまえ、知らなかったのかよ。時間割良くみとけよなぁ」

この世界では、妖魔を倒せるのは、妖魔刀だけ。

矢も効かない事は昔から分かっていた。

だから、みんな剣術だけは習っている。

その中で退魔士になれた人だけが妖魔刀を手に出来るんだ。

霧依さんが腰に差しているのは、本物の妖魔刀だったりする。


けど、そんな事はどうでもいい。

「さぼろうかな、、、、」

「お前、一番重要な授業サボったら、本気で留年させられるぞ」

「いや、中学だし。留年は無いでしょ」

「わりとガチらしいぞ。ほら、2年前のワールドクラッシュで病院で過ごしてた先輩な。来年中学生として、再入学らしいし」

「マジで?」

「マジらしい」

頭が痛い。

逃げたいのにぃ。


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タグ付けました。 日常、ハーレム系になると思います。

星とかもらえると嬉しいかもです。

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