第12話
【珈琲フロートとゆで卵】
9月になったのに
日中の暑さは相変わらずだ
部屋の中にはできるだけ
陽射しを入れて欲しくない
が…
ここは海辺の町
陽射しはキラキラと
容赦なく降りそそぐ
従姉妹が出掛けると言うので
サンキャッチャーを買ってほしいと頼む
きっと綺麗だろう
おばちゃんの今日のお昼は
餃子定食
だけど…何故かオムライスがついている
「知らないんかい?
町中華のオムライスは美味いんだよ」
とおばちゃん
へぇ~
何でもあるんだな
この町の中華屋さんには
そんな事を考えながら
従姉妹の帰りを待つ
暫くして玄関があいた
従姉妹が帰って来たのかと思ったら
商店街の喫茶店のマスターだった
珈琲フロート持ってきた
あれ?
頼んでないよ?
と思っていたら
従姉妹が頼んてくれていたそうだ
「ゆで卵付けといたからさ」
と笑顔のマスター
会釈してお礼を言った
が…
はて?
何故に珈琲フロートにゆで卵?
はて?の脳内乱れ撃ちの中
おばちゃんがマスターに
「アンタ、もっと気の利いたサービスないのかい?」
とツッコミを入れていた
サービスに文句言えるのは
おばちゃんくらいだな
とか思いながら
ゆで卵のからをむく
珈琲フロートとゆで卵…
確かに…
ミスマッチである
が、せっかくのマスターのお気持ちなので
有り難く頬張る
塩味の付いた
喫茶店のゆで卵だ
美味しい…
思わず笑顔になる
珈琲フロートのアイスが溶けかけていた
良いな…
海辺の町の商店街
そんな他愛もない
ランチ時だった
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