恥ずかしい骨が痛い話
くさぶえ 舞子
恥ずかしい骨が痛い話
今から四年前の夏、妊娠後期ごろ、私は赤ちゃんの重みで、恥骨が痛かった。そもそも太りすぎたから重くて重くて仕方なく歩くたび、痛かった。
妊娠の際に、高血圧と、妊娠糖尿病にかかり持病も、抱えてと色々と大変な思いをした。
こんな事でもなければ私も
「恥骨が!」
「恥骨が痛い!」
などと一生分言った気がする。そんなこんなですぐに座ってしまっていた。大学病院に通い診察が終わって、病院を出て夫の車を待っていたときも出口から出てすぐのところにベンチがあってのでかけていた。
暑かったけれど痛みのほうを和らげたかった。
まもなく、全身黄色の服とアクセサリー、帽子にサンダルまで黄色の七十代くらいの御婦人がとなりに座ってきた。
「あなたは、何の病気?」
と、声をかけてきた
「妊娠です。」
と、答えた。
「あらあ!おめでただったのね!他人事のように嬉しいわぁー」
と、言われた。他人事…たしかに他人事だ。
普通、こういうときって自分の事のように嬉しいわぁーじゃないだろうか?そうこう話しているうちに御婦人の身の上話を聞かされることとなったが、ちょいちょい
「他人事のように嬉しいわぁー」
と、私のことを気にかけてくれた。
…が、間違えに気付かないまま夫の車がきたので、話をおえて乗り込んだ。
その話を夫に話すと待ち合わせ場所のことを【他人事通り】とからかっていまだに笑わせてもらわせている。
それもこれも恥骨が痛いというご縁で出来た縁だったのだろう。
(出産後、見事に恥骨の痛みは無くなりましたよ)
恥ずかしい骨が痛い話 くさぶえ 舞子 @naru3hakuji
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