失くしたもの

第2話

「あれぇ! ジン!!来たのかい?んまぁー、美味しそうなカレイだねぇ。いつもありがとう」



ばあちゃんは、そう言って健の頭を撫でた。


頭を撫でられた健は、「おれ健だよ」


って言うけど、ばあちゃんは、うんうんと頷くだけ。



健はカレイが入ったパン(プラスチックの入れ物)を私に渡してくる。



何か言いたげな健に、無言で首を横に振る。



私は健に貰ったカレイを、流し台のある納屋に入れてから、軽トラックに乗り込む健のもとに行った。

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