第5話

悩んでる冴島を孤独から救ってやりたいと思って一緒にいたよ。



「平気なのかよ」


「英語は不安」



冴島と一緒にいたかったよ。



「そうじゃなくて。友達できんのかよ」


「いっぱいできるし。なめんな?」



笑って俺のエナメルに体重をかけてくる。



「重い、くっつくな、離れろ!」



ケラケラ笑う冴島にもう、会えなくなるのか。 



「俺、意外と寂しい」


さみしいな。



「和泉、キモい」



そして階段を上り言った。



「私ね、和泉のおかげで孤独じゃなかったよ」



本当なら俺が言うべきだったな。



「和泉、今までありがとね。」



感謝するのは俺の方だよな。



「あのさ、冴島。


もう会えないかもしれないから言わせてもらうけど」



冴島が俺を振り返ってみる。



「実はさっきのファーストキスだった。」



数秒静止してから冴島がニコッと笑い言う。



「じゃあ、私も言うけどさ」




階段の手すりに手を置きながら言う。



「正月、お盆、長期休みはこのアパートの家に帰ってくるよ」




嫌な汗が肌を伝う。



「別にこれっきりじゃないよ。


っていうか、来月末にはもう、帰ってくるよ」




悪魔な笑顔が俺を見つめる。




「それまでには彼女、作っとけー」







2010.04.25

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そして君は行く 斗花 @touka_lalala

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