第18話:学園祭目前!二人の特別な夜
学園祭を目前に控えた夜、キャンパスのサークル棟では、最後の準備に追われる軽音サークルのメンバーたちの姿があった。
「よし、このライト、ようやく設置完了!」
紗月は脚立の上で両手を広げて大きく伸びをした。
「だから、そこでバランス崩さないでよね。昨日みたいに。」
美咲が下から心配そうに見上げると、紗月は自信満々の表情を浮かべた。
「もう大丈夫だってば!ちゃんと気をつけてるから!」
しかし、その直後――
「きゃっ!」
紗月がうっかり足を滑らせ、再び脚立から落ちそうになる。だが今回は素早く下にいた美咲が受け止めた。
「ほら、言わんこっちゃない。紗月ちゃん、ほんと危なっかしいんだから。」
「ごめん、美咲ちゃん。でも、ナイスキャッチ!」
美咲は深いため息をつきながら、軽く紗月の額をデコピンする。
「もう少し慎重に動いてよ。紗月ちゃんがケガでもしたら、私が心配で準備どころじゃなくなる。」
「えへへ、美咲ちゃんが心配してくれるの、なんか嬉しいなぁ。」
紗月の屈託のない笑顔に、美咲は思わず顔をそらしてしまう。
夜も更け、メンバーたちは一区切りついたところで休憩を取ることになった。
ジュース片手に雑談を楽しむメンバーたちの中、紗月が突然思いついたように声を上げた。
「ねぇ、美咲ちゃん、ちょっと外に出ようよ。」
「え?どうして?」
「いいからいいから!」
紗月に手を引かれ、半ば強引に外へ連れ出された美咲は、夜の冷たい空気に少し驚いた。
「こんな時間に外に出て何するの?」
「ほら、あそこ!」
紗月が指差した先には、校舎の屋上に設置された装飾ライトがまるで星空のように瞬いていた。
「どう?きれいじゃない?」
「すごいね…。いつの間にこんな装飾が。」
「昨日、みんなで仕込んだんだよ!学園祭当日はもっと光が増えるから、もっとキラキラする予定!」
紗月は誇らしげに笑いながら、ライトの光を眺める。
その横顔を見た美咲は、心の奥がふわりと温かくなるのを感じた。
「紗月ちゃん、こういうの好きだよね。なんか、紗月ちゃんらしいって思う。」
「美咲ちゃんも好きでしょ?こういうの。」
「どうかな…。でも、紗月ちゃんが嬉しそうにしてるのを見ると、私も楽しいよ。」
美咲が照れくさそうに言うと、紗月はじっと彼女を見つめた。
「美咲ちゃん、気づいてる?それ、私にとって一番うれしい言葉だよ。」
突然の言葉に、美咲は言葉を失う。
「だって、美咲ちゃんがそうやって一緒に楽しんでくれるから、私も頑張れるんだよ。」
紗月はそっと美咲の手を握る。
「明日、きっとすごく素敵な学園祭になるよ。美咲ちゃんが隣にいる限り、絶対楽しい一日になる。」
そのまっすぐな瞳に、美咲は少しだけ顔を赤らめながら小さく頷いた。
「うん。私も、紗月ちゃんが隣にいるから頑張れる。明日、一緒に楽しもうね。」
二人の手が繋がれたまま、夜の静かなキャンパスに光が揺れていた――。
次回予告:
ついに学園祭本番!紗月と美咲がそれぞれの役割を果たしながら、思わぬハプニングに巻き込まれる!?二人の絆が試される一日をお楽しみに!
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