もしも、「ひとり〇〇」禁止の笑えない世界ができたなら…

冒険者たちのぽかぽか酒場

第1話 SF法案。もしも、ひとりきりで笑うことが禁止されたなら…。「おひとり様生活」がピンチ、どころでは済みそうにない

 笑えない笑いの法律が作られ、お笑い界も芸人たちの生活もピンチにおちいった。

 「ひとりきりで笑ってはいけない」

 それは、老害たちの暴走からはじまる。

 「少子化を食い止めたい」

 「もっと、年金をもらえるようにしたい」

 少なくも、国民を「おひとり様生活」に慣れさせたくないという。

 数だけは多い、あの世代の身勝手。

 もちろん、若い世代は大激怒。

 「おひとり様生活の、何がいけない!」

 「自分たちのペースで動けるんだから、良いじゃないか」

 「ひとりカラオケ、良いじゃないか」

 「ひとり焼肉、ひとり焼き鳥、良いじゃないか」

 「ひとり応援団、ひとりババ抜き、良いじゃないか」

 が、ひとりきりで笑うことの禁止法は解除されないまま。

 「仕事が減る。どうしてくれるんだ!」

 芸人たちも、大激怒。

 「笑う」

 そんな、人としてフツーのことが制限されたままなのか?

 ひとりきりで笑っているところをだれかに見られ警察にでも通報されれば、捕まってしまうのか?

 そこで、人々は考えた。

 「そうだ!老害たちの目が届かない地下に逃げて、新しい国を作ろう」

 だれかが、良いアイデアまで出す。

 「そばにいっしょにいてくれる人を、さがせば良い!」

 なるほど。

 だれかを横に置いて何かをさせれば、「ひとり○○」にはならなくなる。

 「…いらっしゃいませ」

 「いっしょにいてくれる人を、貸してください」

 「お笑いで?」

 「ええ、まあ…」

 「いい人、入っていますよ?」

 「それは、ありがたい」

 「ポイントカードは、お持ちですか?」

 秘密裏に作られた地下市場では、レンタル裏ビジネスが流行。

 「 1泊 2日で、この料金です」

 「…高い」

 「そうでしょうか?ひとりきりで笑って逮捕されるリスクを考えれば、安いものではありませんか?」

 「足元を見ますね」

 お笑い芸人たちのほうは、どう思っていただろう?

 ある日、孤独だったある若者により、ショップの裏側がネットで流された。

 「これは、何だ」

 炎上も炎上。

 何と、この裏ビジネスで店をあやつっていたのは…。

 「ひとり○○」の禁止法を作った、老害たちだったのである。

 拍手。

 拍手。

 店の裏側をネットで暴露した若者は、もう孤独じゃない。

 「いっしょにいてくれる人」から、国民栄誉賞が贈られることとなった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

もしも、「ひとり〇〇」禁止の笑えない世界ができたなら… 冒険者たちのぽかぽか酒場 @6935

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ