第5話 かくれんぼはもうおしまい。

弟が怖かった、「愛してる」の言葉で私を支配しようとする姿に。だから、何もかもを捨てて逃げてきた。それから年月が経ち、夫が待つ自宅に帰ると、血に濡れた包丁を持った弟がいた。「姉さん、帰ろう」と笑う弟が手を差し出す。その言葉と笑顔にときめく自分に、私はとっくに囚われていたことを悟る。

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