第二話 幕間 深夜

 夜遅い時間。酔っ払ったアニタ、モナ、カチューシャは狭いベッドで寝転がり、顔を突き合わせるようにして、ひそひそと、時には黄色い声を上げ、お互いの身体と好みの異性について話し合っていた。


 「あんまわかんないけど、自警団の連中とかどうなの?」


 「あれはダメやな、優男ばっかやん。もっと筋肉と……野性がないとな。」


 モナがそう言ったあと、アニタは彼女の目をじっと見た。モナはそれに気づいたが、さっと目を逸らし、急いで続けた。


 「あとは体毛やな、匂いも、埃と油の感じが……」


 その会話中、耳を赤くし、ずっと枕に顔をうずめていたカチューシャが絞るように「匂い……」と言ったが、二人はお構いなしに続ける。


 「あたしは、大佐とか結構好きかも。」アニタは伏せたまま上半身だけを起こしている。青い、ねばねばした小さな胸がTシャツの襟から覗いた。


 「マジか、アニがおっさん趣味とはなあ。あれじゃあ、ヤることヤれんやろ。」


 モナが卑猥な笑みを浮かべ、これまた卑猥なジェスチャーをしたあと、壁に背を持たれて片膝を立てた。彼女の引き締まった肉体には赤褐色の体毛と、無毛部分のたくさんの向こう傷、そしてタンクトップの薄い布を押し上げる小さな突起。


 「あたしはそういうの興味ないしね。っていうかがないし。」


 「ほんなら処女か。」


 「モナはどうなの?」


 「ウチは…内緒や。でもがどういうもんかは知ってるで。」


 そう言ってモナは掛け声とともにその筋肉質な腕に力こぶを作って中指をたてた。


 「はは、デカすぎでしょ。本で読んだの?」


 「ぬかせ。赤獣人レッドバックはみんなこんなもんや。」モナはさらにもう片腕でも同じようにガッツポーズをした。


 「二本はやばいね、見たことない。こんな感じ?」


 アニタがけらけらと笑って腕を二本のへと変形させた。爆笑が起き、それに堪えかねたのか、カチューシャがついに口を開いた。


 「だのだのもうたまりませんわ!」顔を真っ赤にさせて、腕を振る。ドレスから突き出た肘のボール関節がキシキシと音をたてた。


 「ってそういう?」アニタがからかう。


 「っぅッ、違いますッ!」


 枕でバシバシとはたかれるのを受け流す笑顔のアニタ。もうそろ出撃になるだろうに、彼女たちの会話はまだまだ続く。


 「カチュはどうなんや?なあ。」モナが意地悪な笑みを浮かべた。


 「わたくしはッ…、別に…」


 「それは知ってる反応やんな?はなしてみい~~~?」モナが中指をクイクイッと動かす。今や、アニタとモナの協働によって彼女は追い詰められようとしている。


 「知りません!がなんなのかも!」


 「の話でもええんやで、ウチと比べよか。」モナは湿っぽく言うと、自身の履いていた、黒い下着に手を伸ばし―――


 「~~~~~~~ッ!!////////」


 カチューシャは枕に顔をうずめる足をバタバタさせると、そのまま動かなくなった。

 アニタとモナは満足したかのように顔を見合わせて、また会話を続けるのだった。もちろん、カチューシャが聞き耳を立てているのには構わずに。

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