無礼麺? 葉亜麺流?
なんだか
シエリアが見に行くとバイオリンの青年が主婦達から
しばらくして満足していったのか、女性と子どもたちは散っていった。
「いつつ……ありがとう。優しいお
とんがり帽子にローブを着ていていかにも
事情を聞くと状況は深刻だった。
「ローン30年で買ったストラディバリウスのヴァイオリンを弾くようになってからというもの、なぜだか子どもたちが集まってきてしまって。しょっちゅう
シエリアにはすぐにそれが
おまけにマルネルには悪いが、ストラディバリウスも偽物である。
下手に触れるのは危険だと判断して、
すると黒いローブで顔を隠した少女がやってきた。
「あ〜、ほお〜、ふむふむ……」
すぐに彼女は
「これは″ともだち100人出来るかな?″の
マルネルは泣きそうだ。
「ヴァイオリンが弾けなかったら商売上がったりだよ!! 僕は楽器を
困った
シエリアは
マルネルの話からするにヴァイオリンを
しかし、その方法では
だから彼はさっきボコボコに
なんとか
シエリアとマルネル、
青年はすぐアイディアを出した。
「コンサート……とかどうですか? いや、それだとお子さんは少ないですね……」
黒いローブの少女がそれを聞いて
「うたのおねえさんショーとかいいのでは?」
そしてシエリアも追加で案を出した。
「着ぐるみも居たらいいんじゃないかな?」
作戦がまとまるとシエリアはパラパラとカタログをめくりだした。
こういうところ″は″すごく頼りになるとマルネルも
一週間もしないうちにセポール音楽ホールでの「みんなのおうたのかい」が
会場費や出演者のギャラなどかなり高額になったが、シエリアの
チケットもさばけて、これでプラマイ0といったところだ。
こうしてライブは始まった。
「は〜い!! 良い子のみんな〜!! サシャおねえさんだよ〜〜〜!! 今日はみんなでたのしく歌っておどろうね〜〜!!」
さすがにプロである。
マルネルも
きぐるみの中のシエリアも
そしてその場はピークに達しつつあった。
「今です!! 行進開始!!」
「は〜い!! 会場のみんな〜〜!! おうたのマーチやるからね〜〜!! おねえさんについて、歩いてみよう!! さぁ、いっちに、いっに!!」
すると子どもたちが次々と列を作り始めた。
マルネルはすかさずその先頭に
これなら
うたのおねえさんショーはこの上ないシチュエーションだったのだ。
「いっちに!! いっちに!! さあ、楽器のおにいさんのあとにつづいて〜〜!!」
青年がホールをくるくると回って行進すると子どもたちに円形の列が出来ていた。
まさに今がチャンスだった。
そして
「マルネルさん、うたのおねえさん、いきますよ!! せーのッ!!」
一息置いて、会場が一つになった。
「「「と〜もだ〜ち100人、で〜きるかな〜!?」」」
すると今まで会場を包んでいた
なんとなく、
あれだけ行進に熱心だった子どもたちも泣きながら母親を探し始めた。
こういう時でもマルネルがヴァイオリンを弾くと子供が集まってくるのだが、今は効果がない。
おそらく
着ぐるみを着た女子2人は様子を確認しようと上半身を脱いだ。
同時に青年の腕の楽器が吹っ飛んだ。
それはそのままシエリアの腕に潜り込んでくる。
弾くとまずいことになるとわかりつつもシエリアの指は
心無しか声が聞こえるような気もする。
(グゲグゲッ!! コイツの店、人だらけにして押しつぶしてやるけんね!!)
「ギギギ……ギリギリ……ギギギ……」
まるでチョークて黒板をひっかいたような音がした。
会場の
(ぎいやあああ!! やめろ!! やめろこのクソ
「ギリギリギリ……キーキー……ボスンッ!!」
ヴァイオリンはシエリアの腕から飛び出して、宙で
こうしてライブは
30年ローンで買った楽器が
それでも、通りで生き生きと楽しそうにライブする彼を見ると依頼は成功だったなと思えた。
問題だったのはシエリアの店の方だ。
あのライブ以来、ネズミ一匹、店に来ないのである。
それどころか、通りに出ていくと人が
アフターケアしてくれるはずの
「くすん……」
彼女が
「は〜い!! みんな〜!! おうたの時間だよ〜!!」
「たったら、たったら♪ ひとりじゃ〜♪」
「らったらららら♪ かなしいもんなぁ〜♪」
マルネルはヴァイオリンを、
うたのおねえさんまでいる。
後ろには
シエリアを1人にしたくはないと、わざわざ
これがきっかけで、一年に一回、
終わりよければすべて良し。今回の依頼はスッキリと解決したと思います。
でもこういう話、どっかで聞いたことあります。
いずれにせよラーメン屋さんのお話だった気がするなぁ……というお話でした。
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