八話
会議
「コービンには竜を御する力があります!」
ノイガー王国に帰ってきたアンバーは会談で起きた出来事、緑竜が話した事を会議の場で話した。
この事は楽観視していた一同に動揺を与えるのには十分の報告であった。
「緑竜にも気に入られるとは」
「まさか懐柔させられた?」
「緑竜が寝返る可能性は?」
「そんな事があったら本当にこの国は終わってしまう!」
「コービンの力は我々の想像を遥かに超えている」
「誰だコービンに力なんて無いと言ったやつは!」
慌てふためく一同は意味の無い犯人探しを始めた。そんな見るに耐えない状況をメイクーンは一喝した。
「落ち着け!緑竜殿はコービンを気に入った様だが今はそれだけだ。それに赤竜がいる限り緑竜は均衡を保つ為にこの国の味方になると言ってくれた」
メイクーンの言葉に何とか落ち着きを取り戻した会議室だが、それでも皆の顔は曇り不安げな表情をしている。
その中で一人の漢が立ち上がりメイクーンに報告をした。
「その事なのですが諜報部がコービン・ヘツラウェルの学生時代について調べ上げてくれました」
「今更学生時代の事を調べて何がある?」
「コービン・ヘツラウェルが入学した当初、学校では二つの伯爵家が派閥争いをしていた様です」
「どこの国でも同じだな」
メイクーンは呆れながら報告を聞いた。ノイガー王国も貴族同士の派閥争いは日常茶飯であり、この会議のメンバーもそれぞれの派閥から選ばれているのは言うまでも無い。
「その様な状況でコービン・ヘツラウェルはその二つの伯爵家に気に入られて、取り合いまでに発展していたそうです」
男の報告に一同驚愕した。落ち着きを取り戻した筈の会議室は瞬く間にざわつき始めた。
「コービンは商会の息子だが所詮は平民だぞ!」
「両方につけば双方から報復も考えられる」
「だがコービンは健在だ」
「やはり何らかの秘密があるはずだ!」
もはや収拾がつかないこの状況にメイクーンは指示を出して無理やり会議を終わらせた。
「コービンの過去について洗い出してくれ。もしかしたら何か彼の力に繋がる重要な秘密があるかもしれん。皆気を引き締めて事にあたれ!」
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