戦争との距離

私がこの物語が優れていると思うのはすっきりとしているからです。

私は戦争教育が苦手でした。戦争に賛成だからではないです。反対です。意図は十分理解できるのですが、戦争反対だという考えを「植え付ける」感覚がしたからです。私たち1人1人が自分でたどり着かないといけないのに。

加えて私達は戦争からどんどん遠ざかっています。体験した世代、両親のことだった世代、祖父母のことだった世代、そして顔も知らない先祖のこととなった世代。受け入れ難くとも事実そうなっており、それぞれに伝え方は変わってくるでしょう。

時代を経て距離が生まれて、どう伝えるのか、どう振り返るのか。私はこの物語の温度が現代では適切だと感じました。この話で完結せずにさまざま学ぶべきですが、まずは誰でもすっきり読めるこの物語は適しています。おすすめです。