第8話 マジュロ沖海戦②
1942年5月30日ヨローッパ東部前線
「モスクワまでもう少しか」
「そうだな」
「そういえば、聞いたか?今日、新型戦車が来るって話」
「あぁ、聞いた聞いた。確か順次俺らの乗っているⅣ号戦車から変更されるんだろ?」
「そうそう。えっと確か名前はⅦ号中戦車 バイエルンだったけ?」
「それだな。」
ド ド ド ド ド
「噂をすれば、来たな」
「あぁ。にしてもでけぇ。本当に中戦車か?」
6月1日マジュロ沖
「航空隊での攻撃は十分だな」
阿部がぽつりの呟く。
「後は肥前に任せよう」
「ですね」
源田も賛同する。
肥前 艦橋
「左舷砲雷撃戦用意。徹甲弾及び魚雷装填。装填完了次第打ち方はじめ」
肥前は金剛の後継艦ということで今までの巡洋戦艦や戦艦にあまり見られなかった水中魚雷発射管を12基24門を搭載している。これにより魚雷と砲撃の攻撃が可能になった。
肥前型二隻の砲撃は弾薬が尽きるまで続いた。砲撃がやんだのは翌日の2日深夜二時だった。深夜だが当たりは火の海でとても明るかった。そして、そこにとどめと言わんばかりに艦爆隊30機が来襲。残存艦を撃沈破させた。
第四任務部隊の被害はひどかった。まず、空母は所属していた三隻の内ジュニラル・R・フォードとワスプが沈没。レキシントンは航行不能に追い込まれた。また、直援の戦艦三隻の内サウスダコタとサウスカロライナが沈没。ロサンゼルスが中破。それに重巡が6隻沈没。また、9隻が大中破した。軽巡は8隻が沈没。残りの5隻が大中破し、駆逐艦は23隻すべてが沈没した。そして一番重要な輸送船団はすべて沈没。輸送船21隻、12師団約1万2000人が海に沈んだ。無傷で済んだのは重巡『シカゴ』『オークランド』の二隻のみだった。
そして、レキシントン以下残存艦26隻は生き残った乗組員を救助し煙幕を張り撤退した。阿部は追撃をしたり、敵が救助しているところを攻撃したりはしなかった。
そして阿部は艦隊の帰港を命じ、ここにマジュロ沖海戦は幕を閉じたのだった。
ヨーロッパ東部前線
「おいおい、聞いてねえぞドイツがあんなでけえ戦車持ってるなんて!とてもじゃないけどうちのT-35ではかなわねぇ。おいお前ら!本部に連絡!突撃するぞ!」
「「「はい!!」」」
ソビエト連邦首都モスクワ ソ連地上軍 司令部
「第三機甲師団より入電!敵に巨大戦車あり。これより、敵巨大戦車に突撃する」
「何⁉巨大戦車だと!おまえら情報を集めてこい!!」
「「「「「「はい!!」」」」」」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます