第2話:精霊でもって異星人。
「私「ハニー・トラップ」って言います・・・」
「うそ〜」
「まさかのハニー・トラップって?・・・まあいいわ、じゃ〜ハニーちゃん」
「あのさハニーちゃん、とてもじゃないけど車で雲の上までは送ってあげられ
ないから、ここで別れようか・・・それがお互いの為になりそうだし・・・」
「あ〜私のこと面倒くさい女だって思ってるんでしょ?」
「いやいや・・・でも住所聞いたら雲の上なんて言うから・・・」
「だって、そうなんですもん」
「ってことはだよ・・・君は地球人じゃないってことになるんだけど・・・」
「はい、地球人じゃありませんよ」
「まじで?・・・地球人じゃないってことは異星人ってことになるよね」
「正解です!!花マルあげちゃう」
「私ね、エレメンタルって星から修学旅行でバスに乗って地球にやって来たの?」
「うそ!!って言うのは後まわしにして最後まで聞いて?」
「この地球から約130億光年離れた宇宙にエレメンタルって精霊の星があるの」
「私が住んでる場所はその星にあるのね」
「それでね、自由行動の時、私、急にお腹が痛くなってバスに乗り遅れて地上に
取り残されちゃったの?」
「まあ、先生もみんなもいい加減だから、きっと迎えには来ないと思うのね」
「早い話が私、どこにも行くところがないの、オトナシさん」
「嫌な予感するんだけど・・・その願望がこもった話し方」
「あの、図々しくお願いしちゃってごめんなさいですけど、よかったら助けついで
にオトナシさんちへ連れてってくれませんか?・・・私、役に立ちますから」
「お料理だってできるし、お洗濯もお掃除もできちゃいますから・・・」
「ほら、恩返しするって言ったでしょ?」
「そうだけど・・・」
「修学旅行って・・・空からバスなんか降りてきたら誰か目撃者いるだろ?」
「なんでニュースになってないんだよ」
「とっくにSNSに拡散されてるだろ?」
「そんなの知らない・・・でもね、私を彼女にするといいことあるから・・・」
「か、彼女?・・・」
「うん、これからお世話になるんだから彼女にくらいなってあげないとね」
「彼女って・・・何歳、歳が離れてるって思ってんの?」
「たとえ異星人でも君が、ハニーちゃんが100歳ってことないだろ?」
「私、17歳です」
「ほら・・・彼女なんてありえないよ・・・孫くらい歳が違うんだから」
「私の星だと恋愛に歳の差なんて関係ないですけど」
「え?そうなの?」
「にしたって・・・どうかな〜・・・でも、このまま君をここに放ってはおけない
しね」
「しかたない・・・じゃ〜僕のマンションに来てみる?とりあえず」
「ハニーちゃんの星に帰る手立てが見つかるまで・・・」
「お世話になります」
「あ、その前に聞いておかなくちゃ・・・」
「オトナシさん、今、お付き合いなさってる女性とか、または奥様とか
いらっしゃらないんですよね?・・・憶測ですけど・・・」
「いたらもっとハッピーな顔してると思うよ」
「おぎゃ〜って生まれた時からずっと独身・・・だから半分枯れかかってる」
「そうですか、よかったですぅ」
そう言って彼女は満面の笑みを浮かべた。
その仕草が明るくて爽やかで僕の周りの空気がフレーバーな香りに満たされた
くらい可愛かった。
「つうか喜ばれてもな・・・」
「ハニーちゃんほんとにほんとに、まじで精霊でもって異星人なんだよね」
「あとになって実は君は家出娘で、それで警察が探しにやって来て僕は誘拐犯で
とっ捕まったりしないよね・・・そんなことで人生棒に振りたくないから」
「考えすぎです・・・修学旅行って言ったでしょ?」
「そんなに信じられないならこれでどうですか?」
すると彼女はフワ〜っと宙に浮いて見せた。
「これで精霊でもって異星人だって信じていただけます?」
「ほ〜すごいね、そのイリュージョンお金取れるよ」
「イリュージョンなんかじゃありません!!」
「手品じゃなかったらどうやって?・・・なんで宙に浮いてんの?」
「私の星の技術です、私の背中にアクセラレーターって丸い円盤が現れて
それでもって宙にも浮けるし飛ぶこともできるんです」
「ああ〜地球より文明進んでるんだ」
「すごいんだね〜・・・ってちょっと待ったぁ!!」
「空飛べるなんら、それでもって自分の星に帰ればいいじゃん?」
「長距離は無理です・・・私、途中で宇宙の藻屑になっちゃいます」
「ってことで異星人の居候よろしくお願いします、オトナシさん」
「あのさ、こんなおじさんちに来ることって抵抗ないの?怖くない?」
「ちっとも・・・オトナシさんが悪いおじさんなら私を助けたりしないでしょ?
そう言う方程式がなりたちません?」
「たしかに・・・」
僕は退職祝いに町に飯を食いに繰り出そうとして車道でうずくまってる少女を
助けた。
それが異星人「ハニー・トラップ」って冗談みたいな名前の女の子との出会い
であり、このことがきっかけで僕は自分の人生を変えてしまうような奇跡を見る
ことになるんだな、これが・・・。
つづく。
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