エクゾスケルトン~外側の骸骨~【中編】
たとえ、未明まで
この問題は、この件が解決して、カチャトーリがゆっくり眠れるようになるまで、延々と続く。
得意の
城内の一室が臨時の教室となり、
「改めて挨拶しよう。
まず言っておくが、私の
まず、君達の持っている『
そうすれば、私の
スケルトンの
言葉を切って反応を待つが、
仕方がないと、カチャトーリは少々やり方を変えることにした。
「では、言い方を変えよう。
魔術や魔法の分野で、『
魔法駆動の筋肉と骨の関係が、人間をはじめとする動物のように、骨が内側で周囲の筋肉がそれを軸として動かすのを『内骨格 』と言い、『外骨格』は、外側の
それが我々の言う、所謂スケルトンであり、
諸君の言う『
意思の無い、都合よく使える
ここまでは既に見透かされているぞ、と教えて
自分たちのことを話さなければ、
異世界の技術には、魔法ではないモノに準拠した、様々な 駆動システムがあるらしい。
だが、魔法でないモノに出来ることは、魔法でならより
パチパチとまばらな拍手が起きる。
カズキとヤスユキが、やっとレベルの低い現地人が正解に辿り着いたのを、上から目線で称賛しているらしい。
ナオとサワコは、二人とカチャトーリ両方に冷たい目を向けている。
「それで、ソレは作れるのか?」
もはや、言葉遣いには敬意の欠片も無い。
「作れるとも、
先達への敬意を払わない相手には、同様にカチャトーリにも敬意の欠片さえ湧いては来ない。
ただ、今の段階では、カチャトーリも約束通り、誠実かつ丁寧に応えるだけだ。
現在、カチャトーリが追い込まれている苦境を、この事態に至って予測できておらず、対策も立てていなかったのなら、想像力が足りなさ過ぎるし、そもそも、こんな危険な状況は作るべきでは無い。
対策を立てていたなら、なぜ事態はその対策を潜り抜けて、こうなってしまっているのか、半日は責任者を糾弾したい。
その時まで、カチャトーリが生きていればだが……。
敵側に、この事態を察知する知恵と能力があれば、いつ伯爵領が強襲され、
要は、味方の不始末より、敵の不注意が上回っているお陰で、辛うじて首の皮一枚繋がっている状態だ。
サワコが錬金術で独創的なアイテムを編み出し、ヤスユキがそれとそれの量産過程を解析、ナオの魔力の支援を受けたヤスユキは易々とそれらを量産し、カズキがその特殊なアイテムを使いこなせる
彼らが生きてチームを組んでいる間、
味方には夢のようなパーティーだが、敵には悪夢以外の何者でもない。
その体制の秘密が敵に発覚すれば、その総力を振り絞って、攻撃して来るだろう。
カズキ達は、命を狙われ続けることになる。
亡国の悪夢を回避するためなら、敵もきっと必死になるだろう。
彼らを、彼らだけを、一介の
運良く、途上で襲われて彼らが全滅したなら、そこまでの話だが、彼らが敵国に拐われ、敵国のために働かされたら、自国の滅亡に手を貸したのと同じことだ。
本来なら、囮の陽動部隊を含めた複数の部隊を動かし、本気の護衛部隊を編成して、彼らを守らねばならない。
だが、現時点では、ろくな護衛も付けず、本人達に説明もせず、彼らは
つまり、地方領主に仕える一介の
いつから、王国最高の知性を集めたはずの
「もう一度尋ねる、アンタに作れるのか?」
嗚呼、そうだった。今は
何も言わず、教室を包む結界を強化し、隠蔽している魔力を半分解放する。
四人の中で一番魔力量の多いナオが、やはり一番に感知し、圧力に耐えるように机に突っ伏す。残る三人は、
「今の発言は、聞こえなかったことにしてやろう」
愛想笑いを浮かべながら、カチャトーリは続ける。
「カズキ、立て」
結界内は、
「立てる訳無いだろ!」
「今の発言も、聞こえなかったことにしてやる。
カズキ、立て!」
「カズキ! 今はカチャトーリ師に従って!!」
サワコが泣きそうな声で叫ぶ。
カズキとヤスユキが体制を立て直し、四つん這いから立ち上がろうとするが、そこまでだった。
「カ、カチャトーリ師、立てません」
「『カチャトーリ師、立てません。お赦しください』だ」
カズキが悔しそうに顔を歪める。
「カチャトーリ師、立てません。お赦しください」
カチャトーリは、魔力の解放を二割弱にまで抑える。
「座れ。そして、大人しく私の話を聴き、指示に従え」
三人は、何とか椅子や机にすがるように立って、席に戻る。やっと、四人とも顔を上げて話ができるようになった。
「カズキ、質問は何だった?」
改めて、本題に戻る。
「あ、『
とりあえず、質問は及第点だ。無駄な時間が、かかった。
「過去、その手のスケルトンを造ったことはないが、恐らく造れるだろう。では、実験を開始する」
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