第2話

「お前じゃ俺を倒せない」


「俺に向かって、倒せないと断言するとは、ただの自信家だな」


俺は武道を使えばその辺のやくざなら、相手にならない。だからやくざだからと過信してるのはそっちだ。そのやくざは鋭い眼光で、俺を睨む。俺はそれを受け流しながら、相手は飛び込んできた。


「まずは先手必勝だ。何事も先制が先手必勝だろうからな。すぐに片付けてやるぜ」


そういってナイフを向けてきて、俺を襲ってきた。俺は心臓を刺すのを見きって、半身になり躱し、カウンターの一撃を頭に浴びせた。すると男はよろめいた。


「ちっ脳に響くぜ。なかなかの威力だが、俺を倒すまでにはいかないな」


それならと俺は木刀取り出した。この剣術で、相手を倒す。剣術なら俺の特技だからな。これで終わらす。俺はフゥーと深呼吸を吐いた後、構えをとった。


「これからが勝負だ」


俺はカウンターで一撃を確実に当てるために、相手の動きをよく見た。そして男はナイフで再び俺に刺してきた。今度は顔面か。俺はそれを素早く屈んで、避けた。それ腹に剣術を叩きいれた。すると男はうぐっと言うと、気絶した。これで片付いたか。


するとるなもが泣きながら近づいてきた。


「うわーん怖かったよー。ありがと助けてくれて」


そう言って、るなもは俺にわんわん泣きながら、胸元に収まってきた。俺は頭をポンポンと撫でながら、落ち着くのを待った。るなもにはこんなに怖い思いをもうしてほしくない。


「るなも、もう大丈夫だからな。安心してくれ。今度襲ってきても俺が何がなんでも守り抜く。るなもには笑顔でいてほしいからな」


するとるなもは涙を浮かべながら、ありがとと言うと、にこっと笑顔を見せた。るなもはやっぱり笑顔が似合うな。可愛すぎて天使かと思っちゃうほどだ。


俺達は男を縛り付け、警察に通報した。その間るなもは俺にぴったりとくっついていた。まぁもしかしたまた目覚めるかもしれないという恐怖があるのだろう。一応この辺を島にしている中学時代の不良の女子の友人に見守ってもらうように頼むか。


そして十分くらい経って、警察がやってきた。


「あなたが近衛隆景さんですね。それでこの縛られている人が襲おうとした相手ですか」


そう言って警察官は気絶している男を見る。その表情は冷淡な感じだ。犯罪者は醒めた目で見るタイプなのだろう。警察官は男をパトカーに乗せて、明日事情聴取をしますと言って去っていった。


「るなも家まで送るぞ」

 

「ありがと、正直怖いから、助かったよ」 


るなもは俺から離れて、横に並び立つ。そして俺達はるなもの家に向かって歩きだした。


「それにしても驚いたよ。隆景先輩が助けにきてくれるなんて。周りは私が路地裏に連れてかれても一切こっちを見ないで、関係ないみたいな通りすぎたのに。隆景先輩はめんどくさそうなことにか変わらないような性格に感じたから」


「俺でも目の前で女子が襲われていたら、さすがに助けるぞ。それに仮にも告白した相手だぞ。尚更助けるわ」


「そうだよね、私告白されていたんだったよね。隆景先輩とは先輩では一番好きだったから、嬉しかったよ。、、、、ちょっと今は評価変わりつつあるけど」


最後の方なにか言っていたが、悪口じゃないだろうから、深くは聞かない。それにしてもコンビニ向かっていってよかったわ。飲み物を飲みたくなった俺の喉に感謝だな。


るなもの家に向かっていると、コンビニを見つけたので、るなもに寄っていいか聞いたら、いいよーと言われたので、俺達はコンビニに寄ることにした。中に入ると、迷わず温かいものがおいてあるコーナにいき、マッカンを手に取った。やっぱり温かいマッカンは至高である。マッカンの存在を何で東京にすんでいる俺が知っているかというと、俺が元々は千葉県出身で、たまたま自販機で幼少のころ買ったのみものがマッカンで、それを飲んではまったのがきっかけだ。


会計をすると、るなももカフェラテを買っていた。やっぱり飲み物は甘いものだよな。そしてコンビニの駐車場で俺達は飲んでいた。ちなみにマッカンはもう一本買っているから、家に帰ってからも楽しめる。


「やっぱり運動の後は甘いものに限る」


思考もしたしな。動きを読むと思考を深くしないといけないから、脳を使うんだよな。だからこそその後の甘いものは余計に美味しく感じる。


「それは分かるよー。後隆景先輩は普通より深く考えていることが多そうだしねー」


確かに深く考えることは多いな。元々深く洞察したり、考えたりすることが好きだからだろう。だから速さ重視の仕事には向いていないんだよな。だから飲食店のキッチンとかは避けているし。できるだけ速さ重視じゃないバイトを選んでいる。本当は小説家になることが一番いいんだが。なかなかなるだけでも厳しい世界だからな。


「まぁな、そろそろ行くか」


「うんそうだね」


俺はマッカンを一気に飲み干して、缶をゴミ箱に捨てて、伸びをして、るなもの家に向かうことにした。


そしてあるいて数分るなもの家に着いた。始めてきたが、結構でかいな。親が外交官なだけはある。るなもは親がイギリス人だ。だから英語もしゃべれる。才色兼備ってことだ。俺はフランス語がちょっとだけ話せるだけだから、ちょっと羨ましい。


「それじゃ私は帰るね。また明日学校で」


「ああ、また明日な」


この挨拶も後数回しか言えないと思うと、少し寂しいな。俺は一旦家に帰って、マッカンをおいた後、るんの家に向かった。






















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