第2話 初めての仲間とステータス
「わかりました。」
どんな名前がいいかな?見た目は明らかに西洋風と言ったところ。やっぱり西洋風の名前がいいのか。それとも慣れ親しんでいる日本風の名前がいいのか。うーん。
「じゃあルーヴって名前はどうかな?」
フランス語で狼という意味。あまりに安直だけど異世界だから同じように連れてこられたダンジョンを創る人しか知らないハズ。
「ルーヴ。うん、いい名前だ。ありがとう我が主。」
「その主ってのやめてくれない?なんだかこそばゆくて。」
私はそう、ルーヴに頼んだ。
「そうする。えーっと、あ。名前何だっけ?」
そういえば一度も名乗っていなかったことを思い出した。
「私は、
何だか末永くとか言うと結婚するみたいだけど間違ってはいない。これからどちらか死ぬまで一緒なのだから。
「ああ、よろしくな咲桜。」
“あのーすみません。盛り上がっているところ悪いのですが、名前はこの後変えてもらいますよ?”
「え、そうなんですか?」
“はい。今から見た目や種族も変えてもらいますので。はい。では目の前の端末になれる種族一覧があります。選んでください。”
◯種族一覧
・人族
・エルフ
・ドワーフ
・悪魔族
︙
︙
︙
・吸血鬼
「…吸血鬼で。」
“わかりました。では、ヴァンパイア・オリジン(真祖)でよろしいですね?”
「はい。」
“はい、出来ました。では自身の身体の詳細を創っていきたいと思います。”
「うんーとじゃあ、見た目は少女くらいでお願いします。髪は銀色、目の色は惹き込まれるような赤。出るトコは出てて、引っ込むとこは引っ込ませてください。何だか怪しげな雰囲気くらいの美少女で。」
どうせならやっぱり美少女だろ!なお、少女なのは趣味ですけどね。
“いいですよ…できました。では次に新しい名前を決めてください。”
「うーん、じゃあマナで。名字はそうですね…ソナス。ソナスで。」
“わかりました。それではマナ・ソナスで良いですね?”
「はい。」
ソナスはアイルランド語で幸せ。なんとなくだがいい名前だろう。
“では以上です。後で自身も鑑定してみてください。ああ、あとこのあとダンジョンコアが後ろに設置されます。後は前に自身のダンジョンと繋がる門も出ますので門の設置場所に注意しつつダンジョンを創ってくださいね。”
“あと、クエストと呼ばれるものがあります。それをクリアすると報酬が貰えますのでそれも覚えておいてください。”
「あの!そういえばあなたって何者ですか?」
“あれ、言ってませんでしたっけ?私はこの世界の神。それではお願いしますね。あ、あとその星色々な世界から国を引っ張って来てますので!”
「…さて、自分も鑑定してみるか、と。」
ちょうど自分を鑑定しようとしていたその時、宙から一枚の神が降ってきた。そして床に落ちたその紙を拾いあげ、内容を読んだ。
『申し訳ありません。伝え忘れていたことがありました。ダンジョンマスターである貴女にはダンジョン経営に役立つスキルをランダムで三つ付与されています。詳しくは鑑定で確認してください。』
「なんて書いてあったか?」
私の横からにゅうっとルーヴの頭が伸びてきて手元の紙を覗き込んだ。
「なんかダンジョンを経営する上で役に立つスキルが三つも付与されてるらしい。」
「そうなのか。どんなものなんだろうな?」
「ま、鑑定したらわかるでしょ。」
自分を鑑定するために端末のカメラ側を自分に向けてボタンを、ボタンを…って指が届かない!
「ル、ルーヴ、お願いがあるんだけど…」
「なんだ?」
「この端末を使って私を鑑定してくれない?
ボタンに指が届かなくて…」
「良いぞ…よし。これでいいか?」
鑑定。
名前: マナ・ソナス
種族: ヴァンパイア・オリジン(真祖)
性別: 女
職業: ダンジョンマスター
ランク: UR
レベル: 1
魔力: ∞
スキル
・ダンジョン経営
・言語理解
・アイテムボックス
・鑑定 レベル1
・不老
・陽光無効
種族固有スキル
・変身 レベル10(max)
・催眠魔法 レベル10(max)
・血液魔法 レベル10(max)
・眷属召喚 レベル10(max)
ユニークスキル
・宗教 レベル1
・無限空間
・
称号: ダンジョンマスター
説明 異世界から連れてこられてきた不運な少女。だが、ある意味で幸運。人を誑かす素質があり、元の世界ではまだ中学生ながら何人もを破滅に陥れていた。
ダンジョンマスターになったため、体の老化がしない。中学生だったながら大人顔負けの体と、世界トップクラスと容姿を誇った。新たの身体においてもそこは変わらない。
ダンジョンマスターである魔王の中でも珍しいヴァンパイア、そして1体しか存在しない真祖に転生した。
「…。」
「どうだっ、た…うわぁ。」
な、なんで私の秘密が鑑定に!この世界ではバレない様にしていこうと思っていたのに…
「…ねぇルーヴ?」
私は自分の武器を最大限に利用し、ルーヴの細身だが確かに筋肉がついた腕に胸を押し付けた。そして、ルーヴのすぐ耳元で息がかかるように話しかけた。
「…(ゴクリ)」
「見なかった。いいね?受け入れてくれるなら今日は私を自由にしていいよ?」
「…わかった。」
・ ・ ・
一夜が明けた。
「イテテ。腰が痛いよ。」
腰を擦りながら昨日の鑑定結果を開いて確認を再開した。
ちなみに、このランクというのはE、F、C、B、A、R、SR、SSR、URまであって右に行くほど強くなる。ただし、ランクが違っても技量やレベルによっては上回ることがある。
また、一定のレベルに達すると進化するのだが進化結果によってはランクもあがる…らしい。
一つ一つスキルを見ていこう。
一つ目『ダンジョン経営』。
これは見ての通りダンジョンを経営するためのスキルで今見ている端末を表示、そしてそれを使えるようにする為のスキルだ。ちなみにこの端末。最高で5枚まで出すことが出来るらしい。
二つ目『言語理解』。
これはゴブリン族やオーク族など関係なく言葉わかるようになるスキルだ。自身の配下にも影響を及ぼし、配下もどんな言語でも理解出来るようになる。
三つ目『アイテムボックス』。
これは『言語理解』に次ぐテンプレ。転生者なら必ずと言っていいほど持ってるものなのだ!このスキルは、時間が止まった空間で無限に生きているもの以外を収納出来るというものだった。
四つ目『鑑定』。
これはまたもテンプレ。ダンジョン経営の端末で鑑定を使うことができるけどそちらのほうが精度が高い。でも、使い続けてレベルを上げていけばこっちのほうが精度が高くなるので使い続けるといい。
五つ目『不老』。
これは文字通り寿命がなくなる。見た目も現在のまま変化することのなく止まる。ま、ダンジョンコアが壊されたら意味ないんですけどね。
以上5つは全てのダンジョンマスターに付与されるものである。この次の4つは種族そのものスキル。その種族なら誰にでも備わっているものだ。
六つ目『変身』。
レベルが低いと変身できるものが少なかったり、精度が悪かったりするが、レベルがmaxだと、声の音から覇気まで再現される。ただし、同レベルの『看破』があると見破ることができる、
七つ目『催眠魔法』。
レベルが低いと成功率が低かったり持続時間、また催眠が解けやすかったりする。レベルがmaxだと他人からの手助けがあっても中々解かれることがない。
八つ目『血液魔法』。
文字通り魔法系スキルの上位に位置する魔法。そのうちの血液を操るモノだ。レベルがmaxだと他人の血液であっても自由自在に操ることができる。
九つ目『眷属召喚』。
自身の種族、そして自身より爵位が2個下以下から召喚できる。マナは真祖なので公爵位以下となる。
ちなみに魔法スキルには種類がある。魔法系と呼ばれるものの中には下位である魔術と上位である魔法が存在する。全ての魔法系は魔術から始まり、レベルがmaxになると魔法に進化するのだ。ただし、一生かかっても進化しない人もいれば、一年で進化する人もいる。
この次の3つはダンジョンを経営するうえで役に立つスキル。ランダムだそうだ。
一つ目『無限空間』。
ダンジョンの階を広げるDPがかからなくなるらしい。また、階を創るにあたって1週間に一回無料になるらしい。まだ能力があるようだがまだ見えない。
二つ目『情報書庫』。
これはこの星に転移してきた世界の全情報が載っている。技術についてもだ。これは閲覧許可を与えたものも見ることが出来る。
三つ目『宗教』。
これは…うん?
「ナニコレ?」
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