第3話 フィレンツェからの絵葉書

第3話

フィレンツェからの絵葉書

それは表面にはポンテ・ヴェッキオが描かれ、夕陽に照らされたアルノ川が金色に輝いている写真だった。

裏面にはこんなメッセージが書かれていた。


--- 親愛なる友へ

フィレンツェからこんにちは!

この街は本当に「ルネサンスの心臓」と呼ばれるにふさわしい場所だね。

どこを歩いても、まるで歴史と芸術の中に迷い込んだような気分だよ。

昨日、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂に登ったの。

クーポラの頂上から見下ろす街並みは、赤い屋根が一面に広がっていて、息を呑むほど美しかった!でも、そこでちょっと面白い出来事があったの。

登り口の狭い階段で迷子になった観光客の家族にあって、彼らは英語が苦手で困っていたんだけど、イタリア語を少しだけ練習していた私が役に立てたんだ。

「どちらへ行きたいですか?」と聞いて案内したら、すごく感謝されて、最後には一緒に写真を撮ることに!

なんだか急に偉い人になった気分だった。

その後、ウフィツィ美術館にも行ってきたんだけど、ボッティチェリの「春」と「ヴィーナスの誕生」を目の前にして、本当に言葉を失った。

この街の美しさには、ただただ圧倒されるばかりね。

夜はトラットリアでビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ(超大きなステーキ!)を食べたの。地元のワインとも相性抜群だったよ。

この街って華やかで美しい、いかにも貴族の街だけど、街の屋台から牛の臓物煮込みの匂いが漂ってきたら庶民も共存しているのがわかる。

イタリア内地のたくましい肉食文化が伝わって面白いわ。

次回は絶対一緒に行こうね!


それでは、また手紙を書くね。 フィレンツェの空の下から愛を込めて


--- 友人への一枚には、フィレンツェでの心温まる出来事と街の美しさが鮮やかに綴られていた。




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