第2話 ミラノからの絵葉書


表面にはドゥオーモ大聖堂が大きく写り、美しい夕焼けに包まれている写真でした。

裏面には、こんなメッセージが綴られていた。


--- 親愛なる友へ こんにちは!ミラノから絵葉書を送ります。

昨日、ドゥオーモの屋上に登ったんだけど、あの景色には本当に息を呑んだよ。赤やオレンジに染まるミラノの街並みは、この街が過去と未来を繋ぐ場所だと教えてくれているみたいだった。

それにしてもドゥオーモを囲むおびただしい彫刻が衝撃的だったわ。

昔のミラノの人って寂しがり屋だったのかしら。

少しでも隙間があると誰かにいてほしかったのかも。

そうだ、ちょっとした事件もあったんだ!

屋上で写真を撮っていたら、近くで落とした小さなスカーフが風に吹かれて飛んでいってしまったの。

慌てて下を見たら、幸運なことにそれを拾ってくれたのは、親切な地元の青年だったの!

彼は名前をアレッサンドロって言って、偶然にも同じアートギャラリーの展示を見に行く予定があるって聞いてびっくり。

ミラノの街って、こういう偶然が似合うのかもしれないね。

ギャラリーでは、ダヴィンチの手稿展が開かれていて、歴史に触れるたびに、この街が芸術の中心地である理由を肌で感じたよ。

次回は一緒に来ようよ!

カフェでエスプレッソを飲みながら、ゆっくり街を歩きたいね。

それでは、また連絡するね!

いつも心の友より ---


それは友人に伝わる温かさと、ミラノでの特別なひとときがぎゅっと詰まった1枚でした。

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