あるロード乗りのある一日 前編 朝~昼

 ロード乗りの朝は早い。

 夜から朝。

 黒から青に変わっていく頃に目を覚ます。

 朝食はトースト。

 一枚のパンに一枚のハムと一枚のチーズにちょろっとマヨネーズを垂らしてセット。

 焼き上がりは5分後。

 フライパンを温めておき、その間に着替える。

 充分温まった頃、マーガリンを一欠乗せて溶かしていく。

 フライパンを揺らして油を滑らし塗っていく。

 そこへ卵を落とし、簡単にスクランブルエッグ。

 白米で和食にしてもいいけど、腹が重たくなるので朝は軽く。

 焼きあがったチーズハムトーストにスクランブルエッグを乗せて、

 サンドイッチのように二つ折りにしていただく。


 食べ終えた後、サイクリングジャージに着替える。

 それから点検と準備。

 スマホとライトの充電はばっちり。

 予備のチューブと簡単な工具セットは常にサイクリングバッグに入れてある。

 予報と実際の空を見て天気をチェック。

 それに合わせて服装や飲み物を用意。

 水分は絶対に必要だが、気温によっては二つ用意しておく。

 かさばるし重くなるが仕方ない。


 それらが終わり。

 ロードバイク――いや、相棒と共に外に出て、空気を吸い込む。

 屈伸やストレッチで簡単に準備運動を行う。

 そしてヘルメットをかぶり、手袋を着ける。

 さぁ、出発だ。

 フレームをまたぎ、ペダルに足を乗せて踏み込み、サドルに座る。

 脳内で今日の大まかな予定を考えながら、自転車を走らせる。

 目的地は決めてない。

 とりあえず4時間、道なりに進んでいく。

 今日はそれでいい。


 こうして、あるロード乗りのある一日が始まる。




 走り出して10~30分。

 この時間はウォーミングアップだ。

 身体、筋肉を使い、ちゃんと起こしてほぐしていく。

 スポーツをちゃんとした事がある人はわかると思うが、

 動かす前の筋肉というはかなり鈍く、固く、疲れやすい。

 それをウォーミングアップで動くようにしていく。

 無理はしないように、熱を上げていく。

 実際、体力が充分な初動より、30分動いて体力を使った後の方が駆動がスムーズになる。

 これは本当に、体験・体感した人しかわからない。

 同時に確認の時間でもある。

 身体は重たくないか。痛みはないか。

 変な走り方になってないか。いつもより疲れやすくないか。

 身体の調子を見るのだ。

 特に股関節の動きとふくらはぎの筋肉。

 これは、まじで、重要。

 調子が悪ければ予定を短くする。

 最悪切り上げて帰る。

 自転車の調子も見る意味もある。

 ギアチェンジはスムーズか。

 異音はしてないか。

 ブレーキは効いているか。

 ハンドルのキレは。

 などなど。


 何も問題がなければそのまま続行だ。

 全力でロードバイクを楽しむ。

 脚に感じるペダルの重み。

 空気を通すホイールの音。

 握るハンドルの心地。

 あとは最初の記事で書かれた事、

 景色や音や気温や疲れをなどを存分に。




 さて、4時間ほど走って昼時だ。

 ロード乗りの人にはあるあるだと思うが、

 腹が減る瞬間というのがわかる。

「あ。今、朝食が消化された」

「胃の中が空っぽになった」

 とわかるのだ。

 あと雨が降りそうなのもわかる。

「当たるぜ、ロード乗りのカンは!」


 昼飯は何にしよう。

 朝は洋食だったので、和食、白米を食べたい。

 と言ってもあまり重たいものはNGだ。

 消化がいい麺類。うどん、そば。

 なにより自分はダブルメインブラザーズ。

 天丼と月見うどんでも行こうか。

 天丼の天ぷらをうどんと食べたり。

 潰した月見に天ぷらを浸してご飯を食べたり。

 もしくは軽く焼肉

 ライスを大盛にして、自分が好きな肉だけを食べる。

 一人だから出来る食べ方だ。

 なんて思いつつ、昨日の夜にすでに決まっている。

 目的地はなくとも、走る時間と距離から大まかな位置はわかっている。

 その付近での飲食店を検索して吟味済みだ。

 調べたメニューを思い浮かべ、

 何を頼むか想像しながら店へとペダルを進める。

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