生死の書庫

雅(みやび)

書庫のルール

目を覚ますと、そこは無数の本が並ぶ広大な空間だった。

本棚には人の名前が刻まれた無数の背表紙が並び、それも静かに佇んでいる。

ここは「生死の書庫」---生と死の狭間にある場所。

ここにはいくつかのルールがある。

1.書庫に来るのは「生死の境をさまよっている者」のみ

2.訪れた者は必ず「自分を半生を振り返る本」を読むことになる

3.「生」か「死」の扉を選ぶこと

4.司書は選択を強要しないが、導くことはできる

5.一度「死」を選んだら二度と戻れない

6.書庫の時間は現実と異なる


「あなたは『生』か『死』、どちらを選びますか?」

司書の少女が静かに問いかける。

それがこの場所の決まりだった。


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