第21話:罰(その13)「王女の懺悔、民衆の前で刻まれる恥辱の言葉と行為」

ムーンベリクの王女がサマルティアの王子の前に立たされ、水晶玉が机の上で不気味な輝きを放っていた。王子はそれを指で軽く回しながら、冷酷な笑みを浮かべていた。


「お前、この録画がどれだけ価値のあるものか分かっているだろう?」


王女は涙を浮かべながら、必死に声を震わせて懇願した。


「お願いです……どうか消してください……。」


その言葉に、王子は満足げに笑みを深めた。


「消してほしいか?ならば、今日一日、僕の言うことを完璧に守れ。それができれば、この録画を消してやる。」


その一言に、王女の胸に微かな希望が灯った。


「……本当ですか……?」


「もちろんだとも。」


王子は微笑みながら続けた。


「ただし、僕の命令は徹底して守るんだ。少しでも不満を見せたら、この話はなかったことになる。」



********************



広場は人々のざわめきに包まれていた。月明かりの下、ムーンベリクの王女は深いローブを纏い、顔を隠したまま中央に立たされていた。彼女は身元を悟られぬよう、特徴的な装飾品を一切身につけず、普段の王族らしい佇まいも極力抑えていた。さらに、彼女の立つ場所も広場の中央ではなく、影が多く、目立たない位置が選ばれていた。薄暗さもあいまって、彼女が王女だとわかるものはいないだろう。


サマルティアの王子もまた、王族らしい華やかな装いは避け、地味な服を身にまとっていた。彼は周囲に悟られぬよう、王女とのやりとりはできるだけ小声で行い、互いに身分を示唆するような言葉遣いを徹底的に避けていた。


王女の目には涙が滲み、震える手で握られた紙には、自らの罪と屈辱が綿密に記されていた。王子が冷酷な笑みを浮かべながら、彼女の背後に立ち囁いた。


「さあ、読み上げろ。お前が何をしたのか、この広場の全員に知らせるんだ。」


王女は声を震わせながら、紙に目を落とし、小さな声で呟いた。


「……こんなこと……できません……。」


「やらないなら、全員にお前の正体を明かす。それでもいいのか?」


その言葉に、王女は絶望を噛み締めながら目を閉じ、震える声で読み始めた。


「……私は……夫がいるにも関わらず……他の男性を想像して……自らを慰めました……。」


その一言に、広場の市民たちのざわめきが大きくなった。何事かと耳を傾ける人々の視線が、ローブを纏った王女に集まる。彼女の声は涙で震えながら続いた。


「……私は……夫がいるにも関わらず……その男性の舌に……自分の舌を絡ませました……。」


笑い声や囁きがあちこちから聞こえ始め、彼女の羞恥は限界を超えそうだった。しかし、王子の冷たい視線が彼女の背中に突き刺さる。


「……さらに……私は……夫がいるにも関わらず……その男性に……淑女がしないような……奉仕をしました……。」


その瞬間、広場全体がどよめきに包まれた。中には驚愕する者、嘲笑する者もいた。王女は涙を堪えることができず、紙を握る手が震え続けた。


「……そして……私は……夫がいるにも関わらず……その男性に……身を委ねました……。」


その言葉を最後に、王女は嗚咽を漏らしながら沈黙した。


王子は満足げに笑みを浮かべながら、ゆっくりと拍手をした。その音が静かな広場に響き渡る。


「よくできたじゃないか。だが声が震えていたせいで、伝わりきらなかったかもしれないな。」


その言葉に、王女の心は完全に折れかけた。彼女は涙を流しながら震える声で言った。


「……もう……十分ではないでしょうか……。」


王子は冷酷な目で彼女を見下ろし、言い放った。


「十分かどうかを決めるのは僕だ。もう一度、もっと大声で読み上げろ。」


王女は絶望に沈みながらも、再び紙を握りしめ、震える声で読み上げ始めた。


広場を囲む市民たちは、誰もその場を離れることなく彼女の声を聞き続けていた。嘲笑、軽蔑、そして興味深げな視線が彼女の全身に突き刺さる。


「本当にそんなことをしたのか……。」


「まるで娼婦か売女だな……。」


囁き声が耳に刺さるたびに、王女の羞恥心はさらに深く刻まれていった。



********************



「さて、皆の者。」


王子の冷たい声が、広場に響き渡った。月明かりが薄く照らす中、多くの人々が集まり、その場の成り行きを見守っていた。


「この女は、夫がいるにもかかわらず、不貞を働いた。その罪を自ら告白したのだ。」


群衆がどよめく。


「あの女の告白は本当だったのか。」


「そんな女が本当にいるのか?」


「それは罰を受けるべきだな。」


王女はローブに包まれた身を縮こまらせ、震えていた。彼女の正体を知る者はいない。だが、それがかえって恐ろしかった。誰も彼女を守ろうとはしない。ここではただの罪人として裁かれるだけなのだ。


王子は不敵に笑い、続ける。


「だが、言葉だけでは真実かどうか分からないだろう?」


広場に沈黙が訪れる。そして、一人が叫んだ。


「証拠がなければ信じられん!」


「そうだ、実演してみせろ!」


「自ら犯した罪なら、ここで証明してみろ!」


群衆の声が次第に熱を帯びていく。


王女は顔を伏せ、震えながら涙を堪えた。


(やめて……そんなこと……。)


だが、王子は冷たく言い放つ。


「まずは、夫以外の男を想ってひとり悦びを覚えたことだったな?」


広場のざわめきが一瞬止まり、代わりに驚きと嘲笑が交じり合う声が飛ぶ。


「なんだ、それは……?」


「そんなこと、ここでやらせるつもりか?」


「はは、さすがに冗談だろう?」


だが、王子は笑わない。ただ冷たく命じるだけだった。


「さあ、皆に分かるように示せ。」


王女は息を呑み、肩を震わせた。


(そんな……できるわけが……。)


身分を隠し、この場にいるはずだった。しかし、今や彼女は群衆の視線に晒され、後戻りはできない。


「……っ……お願い……許して……。」


王子は無情だった。


「やらなければ、お前の正体を明かすまでだ。」


王女はぎゅっと唇を噛みしめた。呼吸が乱れ、胸が苦しくなる。彼女が王女であると知られれば、それはただの屈辱では済まされない。


耐えるしかないのか。


絶望の中、王女はゆっくりと動いた。


衣擦れの音がかすかに響く。


「……っ……。」


細い指が僅かに動き、息が詰まるような声が漏れる。


(違う……こんなの……。)


肌を刺すような視線を感じる。すぐそばで、観衆が熱を帯びた視線を送っている。


「おい、本当にやるのか……?」


「まさか、ここで……。」


「いや、でも……見ろ、顔が真っ赤だぞ。」


羞恥が限界を超え、王女の喉がひくりと鳴る。


「……っ……ふ……ぁ……。」


涙が滲む。耐えられない。


(お願い……やめて……誰か……。)


しかし、誰も助けようとはしない。彼女の震える姿に、広場の人々はただ興味深そうに視線を向けるだけだった。


小さく、湿った音が空気に溶ける。


「……ん……っ……。」


震える指先、熱を帯びた頬、途切れがちな息遣い。


(……こんなの……いや……。)


かすかに歯を食いしばる音がする。


「……は……っ……。」


熱がじわりと広がる感覚に、王女は恐怖した。


「……いや……違う……。」


頭を振ろうとするが、動けない。羞恥に打ちのめされ、涙が頬を伝う。


「……っ……。」


ほんの数分。しかし、その時間は永遠のように感じられた。

刺さるような周囲の視線が、羞恥の極限へと彼女を追い詰めていく。心とは裏腹に、耐えようとするほど痺れるような感覚が高まっていき――


「……ぁ……ぁぁっ……っ……ぅ……っ……は……ぁあ……っ……!!」


王女の体がびくりと震えた。達してしまったのだ。


大きく上下する胸。静まり返った広場に、彼女のかすれた声が染み込んでいく。

喉の奥で押し殺そうとしても、耐えきれず漏れ出してしまう。


熱を帯びた肌、震える指先、視線の圧力に包まれながら、彼女は荒い息遣いを整えようとするが、うまくいかない。


広場のざわめきが戻る。


「な、なんだ……?」


「本当に……?いや、でも……。」


「……すごい……。」


誰かが興奮したように呟く。


王女は膝をつきそうになりながら、呼吸を整えることもできずに肩を震わせた。


(……私は……なにを……。)


涙が零れ、唇が震える。


王子は満足げに微笑み、次の言葉を投げかける。


王女の肩が小刻みに震えていた。まだ整わない息を押し殺しながら、彼女は地面を見つめる。


しかし、王子は冷淡な声で次の命令を告げた。


「次は……夫以外の男との濃厚な口づけだったな。」


王女の喉がひくりと鳴る。


「……っ!」


群衆の間でざわめきが広がる。


「おい、本当にやるのか?」


「まさか、ここまで……。」


「ここで濃厚なキスを見せるってことか……?」


王女は俯いたまま、かぶりを振った。涙がぽたりと地面に落ちる。


(もういや……これ以上は……。)


だが、王子は表情を変えずに続ける。


「お前が自ら告白したことだ。ここで証明してもらおう。」


王女の唇が震える。


「……そんなこと……できません……。」


「ならば、ここでお前の正体を明かすまでだ。」


その言葉に、王女の全身から血の気が引いた。


(そんなことになれば……私は……。)


彼女は震える指を唇に伸ばし、そっと触れた。冷えた空気の中、指先のわずかな動きすら感じ取れるほどだった。


「……っ……ん……。」


静寂の中、わずかな湿った音が響く。


熱を帯びた唇が触れ合い、わずかに押しつけられる感触が伝わる。


(……いや……違う……。)


耐えるように目を閉じる。


「……ぅ……ん……。」


息遣いが揺れる。喉の奥で微かな声が漏れ、羞恥に頬が熱く染まる。


王子は静かに言った。


「それだけか?お前がしたのは、もっと深いものだったはずだ。」


王女の肩が跳ねる。


(やめて……もうこれ以上は……。)


しかし、逃げ場はなかった。


ゆっくりと舌を這わせるように動かし、触れ合う感触に耐えながら、王女は目を閉じた。


「……っ……は……ぁ……。」


息が絡まり、喉の奥で微かな震えが生じる。


唾液がわずかに混ざり合い、濡れた音が微かに広場に響く。


「おお……。」


「これは……すごいな……。」


「まさか、本当にやるとは……。」


観衆の興奮が伝わってくる。見られている――この無数の視線に晒されながら、彼女は耐えるしかなかった。


「……ぁ……ん……。」


羞恥のあまり、意識が遠のきそうになる。


(見られている……こんな姿を……。)


身体の震えが止まらない。


王子は満足げに微笑んだ。


「よくできたな。」


王女の瞳は涙で滲み、唇を小さく震わせながら、静かに息を呑んだ。


しかし、王子の冷酷な声は、まだ終わりではないことを告げていた。


「次は……夫以外の男への口での奉仕だったな?」


王女の目が絶望に染まる。


「そんな……そんなこと……!」


王子の目が冷たく光る。


「お前が言ったことだ。ならば、それを証明しろ。」


王子の冷たい声が響く。

王女は目を伏せ、呼吸を整えようとしたが、喉が詰まる。

逃げ場はない。

ここで拒めば、正体を明かされる。

その恐怖が、身体を縛りつけていた。


「おい……本当にやるのか?」


「まさか、ここで……?」


「見ろ、顔が真っ赤だぞ。」


群衆の囁きが、皮膚をなぞるように絡みつく。

息苦しさに耐えながら、王女は静かに膝をつき、王子のベルトに手をかける。

そして、震える口をゆっくりと近づけた。


「……っ……。」


湿った音が、小さく響く。

王女の瞳がうっすらと涙で滲む。

羞恥に耐え、震える手で支えながら、喉を引き締めた。


「ん……っ……ぅ……。」


喉の奥がひくりと震える。

熱い感覚が、じわりと広がる。

顔を上げられない。

視線を交わせば、己の愚かさを突きつけられるだけだから。


「おお……やってるぞ……。」

「すげぇ……本当に……。」

「まるで娼婦だな……。」


群衆の声が、頭の奥にまで響く。

全てが見られている。

誰も止めようとはしない。

むしろ、彼らはこの光景を楽しんでいるのだ。


「……っ……ふ……ぁ……。」


震える息が、熱を帯びる。

顔を覆いたい衝動に駆られるが、それすら許されない。

ただ、耐えるしかなかった。


「もっとだ。」


王子の冷たい声が、喉を貫いた。

王女の涙が、ひと筋、頬を伝い落ちる。


(お願い……もうやめて……。)


それでも、終わりはまだ見えなかった。


湿った音が、広場の静寂の中に溶けていく。

喉の奥がふるえ、かすかな痙攣を覚える。

耐えれば耐えるほど、羞恥が深く刻み込まれる。


「……っ……ぅ……ん……っ……。」


何かが弾ける感覚。

喉が熱く満たされ、体が強張る。

王女の膝がかすかに揺れた。


「……ぁ……っ……。」


大きく息を呑む。

喉の奥でかすかな音が鳴り、全身が震えた。


広場が静まり返る。

その沈黙が、王女の屈辱をさらに深くする。


「おお……。」

「すごいな……。」

「飲み込んでるぜ……。」


群衆の声が戻り、ざわめきが広がる。

王女は唇を震わせ、床に手をついた。

涙が頬を伝い、呼吸が乱れる。


震える息遣い。観衆の熱い視線。王女の心が、少しずつ壊れていく。


そして最後に、王子が囁いた。


「最後は……夫以外の男と交わったことだったか。」


王女の体が震え、膝をつきそうになる。


「……もう……許して……。」


王子は冷淡に笑う。


「お前がしたことだろう。ならば、示せ。」


王子の冷たい声が、広場の中心に響く。

王女の肩が跳ね、喉の奥でかすかに嗚咽が漏れる。

もう何も残されていないはずだった。

だが、それすら許されない。


「まさか……ここで……?」


「いや、でも……ここまでやったんだぞ……。」


「見ろ、震えてる……本当にやるのか……?」


群衆の囁きが耳を打つ。

嘲笑、好奇心、興奮――すべてが王女の肌を刺し、足を震わせる。

背筋を伸ばしたまま、王女はかすかに唇を震わせた。


「……っ……いや……もう……。」


「ならば、ここでお前の正体を明かすまでだ。」


その言葉が、最後の抵抗を打ち砕いた。

ゆっくりと、王女は足を開く。

視線を伏せ、震える指先を宙に彷徨わせる。

拒めば全てが終わる。

それだけは避けなければならなかった。


「おお……見ろよ……。」


「すごいな……ここまで……。」


「いや、でも……これは……。」


群衆の声が遠くに聞こえる。

肌に視線が絡みつく感覚がする。

月明かりの下、すべてが晒されている。

背筋が痺れるような感覚に襲われながら、王女は小さく息を呑む。


「……ぁ……っ……。」


瞬間、全身に突き抜ける熱が走る。

王女の背筋が弓なりにしなり、膝がかすかに震える。

抱え込むように腕を回し、肩を揺らす。


(いや……こんなの……。)


指先に力が入らない。

体が押し広げられる感覚に、喉が震えた。


「……ん……っ……ぁ……。」


王子の腕が腰を掴む。

それだけで、身動きが取れない。

前へ逃げても、後ろへ逃げても、視線の檻から逃れられない。


羞恥に焼かれた肌が、熱く濡れる。

膝が震え、踏み締める足元がぐらつく。


「……っ……は……ぁ……っ……。」


押し込められた熱が、次第に暴れ出す。

鼓動が速まる。

自分の身体が、何かを求めるようにしがみついている。


(こんなの……いや……。)


目を閉じ、堪えようとする。

だが、羞恥の中で、身体が熱を帯び、芯から痺れるような感覚が広がっていく。


「……ぁ……っ……ふ……ぅ……。」


喉の奥で声を押し殺す。

だが、耐えようとすればするほど、熱は身体の奥へと追い詰めていく。

広場の人々の視線が、熱に絡みつく。

耐えきれず、涙が頬を伝う。


「……っ……もう……っ……やめて……っ……。」


だが、誰も止めはしない。

王子は、ただ満足げに笑みを浮かべながら、王女を抱え続けていた。


「ほら――お前の身体の方が素直じゃないか。」


王女は絶望の中、震える喉を押し殺しながら、言葉を失っていた。

何かが弾けるような感覚が、身体の奥から溢れた。

足が震え、膝が崩れそうになる。


「……んぁ……ぁああっ……っあぁぁんっ……!! っはぁっ……ひぁ……ぁあああぁっ……んんっ……!!」


熱が、押し寄せる。

全身が痙攣し、背中が大きく反る。

足元がふらつき、支えを求めるように腕が震える。


(いや……こんなの……違う……っ。)


だが、抗おうとすればするほど、突き上げるような衝動が身体の奥を駆け抜ける。

喉を震わせ、甘く湿った声がこぼれる。


「……っはぁぁ……んぁぁっ……あああっ……!! んんっ……っあぁんっ……はぁぁっ……ぁああぁっ……っふぁ……っ!!」


王女の身体は限界を迎えたように大きく跳ね、激しく震えながら甘く痺れるような痙攣を繰り返す。

腰が小刻みに震え、逃れようとするかのように無意識に揺れるも、押し寄せる快楽の波がそれを許さない。


喉の奥で必死に声を押し殺そうとするが、耐えきれずに艶やかな吐息と甘い悲鳴が次々とこぼれ落ちる。

熱く溶けるような余韻に包まれ、抗いきれない羞恥と快楽が絡み合いながら、王女の瞳から涙が溢れ落ちた。


(いや……こんなの……。)


それでも、身体は正直だった。

王子の腕に支えられながら、足を震わせ、涙を流す。


広場が沈黙する。

そして、ざわめきが戻る。


「本当に……?」

「いや、でも……。」

「すごい……まさか……。」


誰かが興奮したように呟いた。

王女の膝が崩れかける。

王子はやさしく、その身体を支えた。


「よくできたな。」


王女は目を伏せたまま、唇を震わせた。

月明かりの下、広場の人々の視線が、未だ彼女を捉えていた。


「……っ……ぅ……。」


涙が頬を伝う。


「……いや……もう……。」


王子はそれを見下ろしながら、満足げに微笑んだ。


こうして、王女はすべてを晒し尽くした。



********************



夜が更け、全ての命令を終えた後、王女は再び水晶玉の前に座らされた。彼女の目には疲れと希望が交錯していた。


「……私は全て守りました。どうか、約束通り消してください……。」


その言葉に、王子は満足げに微笑み、水晶玉を指で転がしながら言った。


「よく頑張ったな。だが、思い直した。」


王女の顔が凍りついた。


「……思い直した……?」


「そうだ。やはりこれは取っておくことにする。」


その冷酷な言葉に、王女の胸に灯った希望が音を立てて崩れ去った。


「なぜ……そんな……。」


涙を溢れさせる彼女を見下ろしながら、王子は冷笑を浮かべた。


「これがお前にとっての罰だ。今日はお前の忠誠と従順さを確認できてよかったよ。」


王子が水晶玉をしまい、部屋を出ていった後、王女はその場に崩れ落ち、声を上げて泣くことすらできなかった。


「私は……何のために……こんな屈辱を……。」


彼女の涙が静かに床に落ちる音だけが、虚しい夜の空気に響いていた。

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