勘違いの幕開け

第2話

「あれま。お醤油がない」




今日は和食にしようと材料は完璧に買ったのに、調味料がないなんて。




「どうしましょ」




現在の時刻は6時半。


3人のお兄ちゃん達はまだ帰って来ていない。



家には両親が居ないため、自然と女のあたしが夕飯の支度をするようになったんだけど。




「むぅ……どうしようか」




こんなにも悩むのにはちゃんと理由がある。



あたしの住んでいる町は治安が悪い。


毎晩聞こえてくるバイクの音。


ニュースでも何度かこの町名を聞くぐらい物騒なところ。



だから、夕方とはいえ一人で外出することは危険。




でも緊急事態だから止むを得ない、よね?

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