牢屋に囚われている主人公が、見張りの兵士に向かってただ語っていく。「なぜ語るのか?」読者の誰もが抱く疑問が、主人公の境遇が明かされていくごとに、輪郭を形作っていく。主人公は半生を語っていきます。それはどこにでもある平凡な人生。そして、あるとき、大きな運命のうねりに巻き込まれていく。なぜ生きているのか?なぜ死ぬのか?なぜ人は語るのか?普遍的なテーマを、手で触れるほど生々しく描き出し、読者の魂にぶつける。この作品でしか味わえない読後感。ぜひ体験してほしいです。