デスマーテ托卵会〜カクヨムコンで沢山のNTRを見て刺激された馬鹿は興信所の業務が分かってないのに真似事をしたらメンタル死にかけた

クマとシオマネキ

【上】カクヨムコンに捧げるデスマーチ托卵会議VSワンパン地獄

「最近のNTR小説、良いね?」


 私はEの付くヤザワの口調で小説を見ながら言った。

 

『何が良いんだよ、馬鹿かテメェ、仕事しろ』


 この現場作業場のアイドルである私にゴミクズの様な指示を出す、現場監督のサトルが私に言うが無視する。

 

 カクカクと言う小説サイトのカクカクコンと言う猿の如き腰を動かす様な擬音のコンテストでどうやらNTR耐久卿達のサバトが行わているようだ。


「イベントは良い、イベントは…沢山小説が出てくるから…やっぱりNTR→ざまぁ→もう遅い…これだよ」


 ふと、昔やっていたNTR探偵を思い出した。

 

「そうだな…今なら出来そうな気がする。もう大人になったし…10年近く経ってるし…」


『テメェ仕事しろって言ってんだろ!おいどこ行くんだよ!上がるには【まだ早い】ぞ!』


 キレ散らかす現場監督は放置して私は走り出す…そうだ…【もう遅い】…今なら出来る気がする…


「オレのNTRざまぁ…止めようとしても【もう遅い】!」


――――――――――――――――――――――― 


『加奈子!もうお前の不貞の証拠は揃ってるんだ!離婚してもらうぞ!』


『違うの貞夫さん!私が好きなのは貴方だけなの!心は貴方なの!許して下さい!何でもしますから!!』


 そして現在、私の調査によりNTR現場は佳境だ。

 元気いっぱいに叫ぶサレ男、何が違うのかさっぱり分からないシタ女、やはり短編のNTRの現場はこうあるべきだ。

 今、まさにざまぁは佳境を迎えようとしている。ここに来るまで色々あったように見えて実にシンプルだ。


 NTR探偵事務所のホームページを閉鎖し忘れて10年、格安で不貞を暴くとか、悪いメス猫を探すとか書いてたら、金の無い依頼人からの身元調査と猫探しのメールが貯まりまくる。

 もう活動してないのにな。私はそんなNTR調査依頼の最新のものに返信した。


「名前と住所と奥さんの名前教えろ下さい。怪しいと思った時間にメールして下さい、突っ込んで証拠取るから」


『え?そんなシンプル何ですか?』


「はい、無理矢理証拠抑えるので。バレないように隠れてやるけども、私共はシンプルシリーズです」


 んで、直接会った時に疑心暗鬼の顔で見られたが知らんがな。

 後は依頼人、田中貞夫さんとやらが今日は怪しいと言った日に女をつける。

 案の定、バイト先のスーパーで不倫。

 今の時代、メールやらで証拠なんて残さんわな(笑)だから私の出番だ。


 私は道場一の使い手、武術の達人だ。

 音を消しラブホに入っていく車を撮影後、車の下に張り付いて一緒に潜入。後は気配を消しながら真後ろに付き、部屋に入る時にそのまま一緒に入る。

 帰りは窓から飛び降りる、何階であっても関係無い、達人だから。


 そして、気配を消してスマホで撮影する。

 田中貞夫の妻、田中加奈子とスーパーの店長、狭間和男がラブホで盛っているのを斜めぐらいの視点で撮影する。

 道場一の使い手であれば至近距離で撮影可能だが…


『あの人より気持ちいいのおおおおお♥♥♥』


 …………そうっスか。


 至近距離で言われたクソの発言。

 正直、私の気配消し完璧。

 バレる可能性はゼロだが…他人の濡れ場なんて1時間も見たくない。

 ラブホに入る所と、二人と分かる画角と、盛ってる二人の顔をハメ撮り風に抑え、ある程度撮影したら脱出、窓をちょっと開けて飛び降りた。


 七階だったのでびっくりして着地に失敗し、血塗れになったが問題無い。現場で鍛えたこの身体は強いからな、殆どゲームしかしてないけど。

 それに私は常識のある女、だから人には勿論当たらないように落ちる。

 ただ、降りた先の人が少し騒いだ。まぁ良いや。



 そして私はNTR結果報告をする、証拠と共に。

 

「真っ黒です、真っ黒。ほら、これ証拠のUSBメモリ。小説によくあるNTRビデオレターみたいな感じだが…オレは興信所、間男じゃないから」


『え?どういう事ですか?コレを見ろと?』


「あぁ、出来れば目の前で見てくれ。反応を知りたいから、キツかったら走って逃げるから」


『え?逃げる!?とにかく分かりました…では…』


―んほぉ!♥♥ぎもぢぃいいい♥♥♥―


 そして見た瞬間、依頼主の背後に大量の縦線が見えるぐらい悲壮感が出た。


『あっ!が…ググ…くうう…おっゴゴ…ギィィ゙…』


 涙を堪えてる様だが私の感想は違った。

 凄い小刻みに震え、ファンタジーものの敵が変身する時と同じ動きと声だなと思った。


『ハァハァ…色々お見苦しい所を…すいませんでした…明後日…この店長を交えて家族で話し合いますが…当日来てもらえませんか?』


 変身が完了した様だ。関わり合いたくないな。


「分かった、行けたら行く」


『え?行けたら?…あ、はい…お願いします』


 鷹の様な目をしながら言う私は確約しない女。

 何故なら何が起こるか分からないからだ。

 もしかしたらその日に1日中スマホゲーのレイドバトルがあるかも知れないからな。

 少し関わりたくないと本音が出たが、そうかも知れない。

 帰って家でこの話をしたら家人から『何でそんな事した』とか『絶対に行け』とか『責任を取れ』とか怒られたので、結局仕方なく行くことにしたが…


 そして当日…役者は揃った。

 田中貞夫…サレ男

 田中加奈子…シタ女

 田中洋子…娘

 広瀬真夏…田中洋子の小学校担任

 狭間和男…スーパーの店長、間男


『洋子ちゃんのお母さん!何でこんな事したんですか!?私…私は許せない!』

 

 泣いてる子、田中洋子を撫でながら罵声をぶつける小学校の担任、広瀬真夏…と言うらしい。

 貞夫とは年の離れた幼馴染で地元が一緒だから可愛い妹の様に接していて…て、コイツ、小説風に言うなら次の嫁候補じゃん。

 

 いきなり新キャラぶっこまれて混乱したが、どうやら娘は薄々浮気を分かっていたらしく、メソメソと泣いている。

 

 そう言えば、私も親父が全力で浮気していたが、あまり害は無かったので気にしなかったな。

 うちの母親と再婚した、私の同級生のサトルウンコは『スラム街で育った子供と同じ理論だな』とか抜かしたが、スラム街の発生源と再婚したお前に言われたくないとおも…


『加奈子!いつからしていたんだ!正直に言え!それにアンタの奥さんにも連絡したからな!』


『嫁は関係ねぇだろうが!』

 

『違うの!貴方!違うのぉ!』


『関係無い理由無いだろッ!それに加奈子…お前…俺の両親が浮気で辛い目に遭ったのを知っていたにも関わらず…おまえええ!!』


『許して!貴方だけなの!幸せをくれたのは!』


 グタグタしてるなぁと思ったが佳境に入りそうだ。

 なんかダラダラ話しているのを聞いていると、どうやら結婚前にコイツと浮気してたらしい。そして最近再会して、また火が着いた…と。

 何が違うのかマジで分からないし、それから許してって意味が分からないが、とにかく違うらしい。


『お、お前…結婚前から…それじゃ…まさか…』


 托卵系?托卵系NTR?こりゃ間違いなく拗れるな…

 

『お、お父さん!う、嘘だよ…そんな…私!お父さんの…』


「はい、待った。ちょっと失礼」


 ちなみに私、根多龍虎は武術のやり過ぎか知らんが相手の肉体が分かるあまりDNAまで識別出来る様になった。

 淫乱で頭のおかしい自分の母親とは血縁でない可能性を探った結果の故の能力だ。結局100%血縁と言う結果が出て悲しみにくれたがな…

 さて、この父娘は…


―父権肯定確率 0.0000000%―

―被験者同士は生物学上の親子関係が認められません―


 やべぇな、托卵だ。多分、浮気相手のスーパーの店長の子供じゃん…こりゃ荒れるぞ…


『加奈子さん!?貞夫さんがどんな気持ちでいたか分からないのですか!何故幸せな家族を作らなかったのですか!これじゃ過去に私が身を引いた意味が…それでこんな事になるなら!ウワァアァ!!』


『落ち着いて!真夏さん!貴女が悪い訳じゃない!僕が間違えたんだ…畜生!チクショおおお!!』


 この娘の担任の女…どうやら貞夫の年下幼馴染らしいがどうやらこの奥さんに先を越された様だな、奪われたみたいな?

 だけど、この感じ…多分まだ好意があるな。

 


 正直、話が複雑になるから、その辺は私の手を離れてからにして欲しいな。


 取り敢えず今にも殴りかからんばかりにシタ女に詰め寄ろうとする貞夫と真夏、私は二人の肩を掴んで抑える。

 暴力はいかんからな、私が居なくなってから…ん?


―兄妹肯定確率 100.0000000%―

―被験者同士は生物学上の兄妹関係が認められました―


 へ、へぇ~。貞夫…未来が無いな。

 でも後から分かっても気分悪いだろうしな。

 ヒントを出してやろう、そして逃げよう。


「おい、貞夫君。ちなみに君の浮気してた両親の写真、あるかね?真夏さんに見せてあげなさい」


『え?何ですか?急に?ありますけど…』


「良いから、見せてあげておくんなさい」


『わ、私別に今それは…「良いから、見て見なさい」


 スマホを弄る貞夫…そして…


 凄い速度で真夏とやらの目が回る…ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる


『こっ、この人っ、わっ私の母とっ、ふっ・・不倫してたっ、おっ・・お゛っ・・・男゛っ!!』


「…………ヨッシャアアアアアア゙ア゙ア゙ア゙ッ!!!」


『え!?』「何でもありません」

 

 私は青春の握り拳…ではなくガッツポーズを取り叫んだ。

 何故なら伝説イベント【後悔】を発生させたからだ。

 実際の【後悔】はこんなもんじゃないが、先日母親に言わせて旦那に『あー、そう』で返されていたが今回は完璧だ!

 と思ったらスゲェ目で見られたから静かにした。



 貞夫の目がぐるぐるぐるぐるぐるぐる…そしてコールタール…いや、まるでヘドロの様な色になった。


『ア゙ッあっあっ―――あぁ…ア゙ッ』


「彼は変身をするみたいなのでここらへんで興信所は失礼する」

 

 私はもう全体的に気持ち悪いからこの場を離れる事にした。


『『『どこ行くんですか!?』』』


 DNAは滅茶苦茶でも変なシンクロだけはするんだなって思った。 


※全3回!カクヨムコンに出るぞぉ!

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