私の薔薇色の人生~んなわけあるか!~
大黒天半太
私の薔薇色の人生と思っていたもの
私の将来は薔薇色だと、よく言われて来た。
魔法が支配するこの世界で、魔法の
長じて王立魔法学院に入ると、三属性魔法に加え、
卒業すれば、名のある
だが、現実はしょっぱくて厳しい。
魔法学院での学年一位など、何の保証も裏書もないオモチャの勲章であり、採用時の期待値以上のものではないことを思い知らされる。
毎年学年の数につき一人居て、魔法学院二百年の歴史で千人を越え、それを上回る力量を現場で示した卒業生、
貴族の家柄と魔法の名門の家系の血も、それによって積み上がった自分の能力で、実績を上げて、初めて意味を持つ。
魔法の行使と応用は、実戦経験の差によって、文字通り天地ほどの差が開くし、任務の達成率も推して知るべしである。
むしろ、誇って来た家柄は『良いとこのボンボン、お嬢ちゃん』『お坊っちゃま、お嬢様』扱いで、自分が下手を打てば、家が嘲笑の対象になりかねない。
小さな仕事から一つ一つ確実に達成して、成功体験を重ねることが、自信を大きくしっかりしたものにしてくれる。
経験と実績が培った自信は、更なる大きな挑戦に当たって土台として支えてくれるのである。
それがわかったのは、実体験として理解した後のことだったのだが。
現実に、大きな実戦に立ち向かうことになった時、私は根拠のない自信しか持ち合わせのない、ハリボテの
指揮する上位の
城壁に囲まれた地方都市近くの外れの森とは言え、街道から離れた森は鬱蒼としており、昼間でも暗く陽も差さなかった。
既に、ほぼ同等の戦力で構成されていた第一陣の討伐隊は、あっけなく全滅している。
手応えのある情報も掴めないまま進めば、森の中での遭遇戦となるのは、ほぼ必然の結果だった。
ドラゴンのような強力な魔獣こそ出ないものの、ダイアウルフの群れと言うか三十頭あまりの
上位の
だが、その時の私は、根拠のない自信に支えられており、果敢な(客観的には無謀と言う)挑戦を試みた。
選りにも選って、仲間と協力した地道な戦闘ではなく、派手な一手を打ったのである。
即ち、ダイアウルフの
結果的には、吉凶両面の、正直に言えば、吉が三分に凶七分となった。
指揮官を失った
放った
戦略も工夫も無く、ひたすら
私の薔薇色の人生~んなわけあるか!~ 大黒天半太 @count_otacken
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