第1話 目覚め
ぴぴぴぴっ
ぴぴぴぴっ
カーテンは開放されているにもかかわらず室内は真っ黒だ。
朝を告げるアラームが鳴った、なんて到底考えたくないな、と眠気ながらに愚痴を浮かべつつ、ぐっ、と体を起こし、いつかの母のように小うるさいアラームに手を伸ばす。
ぴぴ
ガチャ
電子時計の上部を叩くと、最後の断末魔と共に静かになる。
同時に青白く光りながら日付と時刻をその画面に表示させた。
5月2日。
時刻は3時30分を表示していた。
枕元のリモコンに手を伸ばして、真上に取り付けてある電灯を起こす。
じんわり点灯した白々しい電灯は、今朝の自分の目覚めと同期しているようだった。
――はぁ、とため息をつきながらベットから腹筋に力を込めつつ起き上がり、支度を始める。
服を脱いで、昨晩睡眠前に支度していたスーツを手に取った。
内側の素材が肌に触れる。
熱はとうに逃げて、ひんやりと冷たい袖の内側に異議を申し立てるように腕を通していく。
如月青葉の1日が今日も変わらず始まっていく。
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