第6話 おままごとの解像度が高くなっている気がする
グラウンドで陸上部が片付け始める。
※
「ただいまーっ!」
「「「おかえりなさーいっ!」」」
「汗かいたでしょ」
オレがスポーツ飲料を渡す。勇輝から
「ありがとう!」
「どうかした?」
「なんでもない」
勇輝が横から口を出す。
「そういえば今日お姉ちゃん声高いね。体調悪いの?」
「声の高さ関係ない! ほら……汗かいてるから。スプレーとかしてるけど匂いとか気になるし」
「気にならないよ」
「本当?」
「いい匂いするけど」
「それは冗談にしてもキモいって。もう行こう!」
※
下りの各駅の電車に乗る。まだ3時過ぎで空いてる。
遠足も帰路かと思うと
勇輝が
「もう帰るの? まだ3時すぎだよ!」
「そうねぇ、どうしようか……。
「全然大丈夫」
「うちの近くにあるアスレチック公園はどうかなぁ?」
「
「うん、私もまだ遊びたい」
「いいんじゃない?」
勇輝が喜ぶ。
「やったぁ!」
内心ではオレも勇輝と同じ気持ちだった。
※
アスレチック公園は、住宅地の中にあり、それほど大規模なものじゃない。でも子供には楽しめるアトラクションが並んでいる。
オレと
「オレも前はここ、遊びに来てたよ」
「勇輝が好きだから、私は今もよくくるんだ」
「お兄ちゃん、のど乾いたぁ!」
「走ると危ないから気を……」
「大丈夫か?」
「うん、大丈夫」
オレが腰を落として
「腕とか動かすと痛い?」
「痛くない」
大きな怪我ではなく大丈夫そうだ。でも半袖なので、腕を大きく擦りむいてて痛々しい。
「どうしよう? 病院へ連れてくべきかな?」
「まず消毒ね。
「冷たいけど我慢してね」
「うん」
オレがお礼を言う。
「ありがとう。手際いいね」
「うちの勇輝もよく怪我するから。病院へ行くほどじゃないけど、しっかり消毒しなきゃね」
「うん。じゃあ薬局へ行って……」
「近いからうちに来ない? 消毒液とか絆創膏ならあるから」
「いいの?」
「もちろん」
「
「うん」
「勇輝、もう帰るから忘れ物ないようにね」
「オッケー」
さっきから心配そうに見てる勇輝も元気に返事する。
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