第5話 汗をかいている女の子は魅力的だと思う
「お姉ちゃんの学校大きいねぇ」
「このあたりまで大学の敷地だから自由に出入りできるの。このベンチにいるのがいいと思う。トイレがここで、学食がここ。何か質問ある?」
「大丈夫……、だと思う」
奥の高校近くまで歩いて、おすすめの場所にくる。大学と高校の境目に、いくつかベンチとテーブルがある。人通りも少なくて、高校のグラウンドが見える。
「自販機があそこにあって、あと……」
「飽きたらこれね」
「さすがお姉ちゃん、用意がいいね」
「じゃ、今度は私がいってきます!」
「「「いってらっしゃーい!」」」
みんなで手を振った。
※
勇輝が「のど乾いた!」と言うので自販機で飲み物を買ってきた。
グラウンドに陸上部が出てくる。同じユニフォームだけど、
フワッとさせていたミディアムの髪をポニーテールに結んでいる。髪型ひとつで丸顔な印象からスッキリした印象に変わる。
陸上のユニフォームは肌の露出が多く、体型も良くわかる。見ていてドキドキする。
勇輝がそれを見つける。
「お姉ちゃんが手ぇ振ってる!」
こっちからも手を振りかえす。内緒のやり取りしてる気分になる。
まわりの部員たちと見比べても
※
構内を散歩して、学食でソフトクリームを買って来て3人で食べた。
勇輝と
オレがグラウンドから目が離せないでいたら、勇輝に袖を引っ張られる。
「ねぇ、このボス倒せる?」
「倒しちゃっていいの?」
「うん」
2人は同じボスに手こずっていた。手際よくボスを倒してゲーム機を返す。
「すげぇ、ゲーム上手いなぁ! お姉ちゃんゲーム下手なんだ。困ってるゲームあるから、今度うちに来てボス倒して」
「オレにできることなら助けるよ」
そう返事すると勇輝は無邪気に喜ぶ。
※
そんなオレに勇輝が声をかけてくる。
「お姉ちゃんかわいいよね」
「かわいいな」
思わず素直に
その返事に勇輝と
「「ヒューヒュー」」
この2人に冷やかされても嫌な気はしない。
「勇輝だってお姉ちゃんのこと好きだろ?」
「うん大好き! お兄ちゃんも?」
「うん、オレだって
素直にそう言ってしまうくらいには、この"おままごと"が気に入りはじめていた。
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