第46話

「だめ……だめだよ。ちゃんと、ご飯食べて?

梓に痩せてほしいだなんて思ってないんだから」


食べられる? と彼は聞いた。


解放されたくて、私は素直にうなずいた。



彼の作った食事は本当においしかった。


それは素直に褒めた。そして、彼はとてもうれしそうに笑った。



食事がすむと、彼は食器を下げた。


兄に連絡を取ろうにも、スマホが見当たらない。


探すには、鎖をほどいてもらわないといけない。



私はいいことを思いついた。


彼を呼びよせ、「トイレに行きたいの」と鎖を外すことを要求した。

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