第37話

「かわいい声……

梓ももう大人の女性だしね。

感じてくれてるの? うれしいなあ」


そういうと彼の唇が耳から首筋へ這っていく。


私が声を押し殺していると、今度はほほにキスをした。



「我慢しないで……

そんなに唇をかんだりしたら、血が出ちゃうよ。いけない」


そういってキスを落とした。


唇を長い間塞がれて、息の逃げ場をなくし、勢い余ってハッと口を開いて酸素を求めた。


生暖かい空気と共に、ぬるりと彼の舌が入ってくる。


私の舌をさぐり、絡ませ、吸い付く。



頭の芯がしびれて、体の先に神経が届かなくなる。


たまに「舌を出して」と指示をされ、私は仕方なく従い、そしてさらに彼にしびれさせられる。

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