番外編① 

「…………」


 とある一室。明かりを点けずに暗いまま、黒い影が椅子に腰を下ろし、壁に飾られた巨大モニターを凝視していた。そこに映っていたのは、緑豊かな大森林と、全身に黒・白・茶の三毛猫のコスプレをした小柄の少女だった。


『アレっ? 此処、何処? っていうか何で私、さっきプレゼントされたUR装備?の【ハイパーネコセット】を装備してるの!? お気に入りの【魔女王セット】と【終焉ノ神杖ラグナ・スタッフ】は何処にいったの!? 【アイテムボックス】!!』


 画面に映る少女は慌てた様子で【アイテムボックス】と声を発するが、


『表示されない、もしかしてバグ? 直ぐに運営に連絡しないと……ってログアウト画面もフレンド画面も出てこない!!』


 少女は先程からおかしな言動を幾つかしている。まるで此処がゲームの世界だと認識しているような喋り方だった。


「…………」


 ジッと巨大モニターに映る少女を鑑賞していた黒い影が突如、巨大モニター画面を左右二面に分割する。その後、キーボードのような機器を展開し、タイピングを始める。数分後に入力し終え、左画面に視線を戻すと、


『へっ、何このメッセージ? 新しいイベント?』


 少女はメッセージらしき画面を閲覧し、困惑していた。そのメッセージにはこう書かれていた。


『○○○○さん、おめでとうございます!

君は私の出したアンケート審査により、見事当選されました パチパチパチパチ♡

君が現在いまいる場所はゲームの世界ではありません

私が管理する、魔法や魔物が存在する【ファンタジー世界】です

当選されたご褒美として【ハイパーネコセット】をプレゼント致します

他のプレゼントは後ほど用意しますので、楽しい楽しい新しい人生ニュー・ライフをどうぞ、ご堪能下さい by神様より♡』


「…………」


 黒い影は、少女がこのメッセージを読んだことを確認すると、マイクらしき物体を取り出し、こう言い放った。



 そう言い終えた黒い影は、椅子から降りて立ち上がると、自動ドアらしき扉に向かって歩き出し、部屋の外に出て行った。


 無人となった室内の巨大モニターの右画面には、

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