呪いの力と贖罪
私は少女の死後少女の形見として自分の近くに置いて置きたいと望まれたが私自身がその願いを引き受けなかった。すると、私は少女の妹の生活費の足しになるべく大きなオークションにかけられることになった。どうやら、相手の願いに対して私が引き受けたいと思うか思わないかが私がその人の近くに入れるかどうかの基準となるようだ。そして、今回のように引き受けないでいるとまるでそうなるのが自然の摂理化のように願いを引き受けなかった人からは離れていくことになるらしい。
少女の活躍は非常に高く評価されており、その活躍の一端を担ったとされる私は非常に高い値で落札された。そして、私を落札したものは自分の統治する街の住民の生活を守るために迫ってくる脅威の排除を願い、私はそれを引き受けた。私はその者の願いに従いその者に対して圧倒的な武と知識を与えた。そして、わずか15年ほどで彼が統治する街を脅かす脅威はなくなりそのものは少女と同じように黒い灰となって消えた。その次に私に願い事をしたのは彼の息子だった。彼は父親が盤石なものにした地位の更なる向上を願い、邪魔をするすべての人の滅びを願った。私はその願いを引き受けた。そして、彼の地位の向上の邪魔となる者を排除するための知識と技術を与えた。彼はわずか3年で王家に婿入りし、次期国王として自分の地位を彼自身が考える最も高いものにまで持っていった。そして彼は即位の日当日に黒い煙となって消えた。その後も私は多くの人の手に渡っては彼らの願いを叶えた。その願いは、必ずしも幸せなものではなかった。むしろはじめの2人のように他人を思い他人の幸せのために私に願いごとをする者の方が少なく私利私欲のために私を利用するものの方が多かった、彼らの願いは、他人を不幸にするものであり、結果として、彼らは黒い煙となって消えていった。
私は、この力を恐れた。そして、この力を封印しようと試みた。しかし、この力は私の一部となり、簡単には消し去ることができなかった。
私は、この繰り返される悲劇に心を痛めた。私は、ただ少女や心優しい彼の願いを叶えたかっただけなのに、なぜこんなことになってしまったのか。
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