20


多分先代に指示する姫なんて私くらいだろうな。


でも、今は私の出来る全てをしたいから。

生意気と言われても、姫のくせにと言われても

青龍さえ守れたらそれでいい。




言わなくても彼等は最優先にリコを守るだろう。

もし想像通り何処かの族に遭遇していても、あの四人が一緒にいるならまだマシ。


でももしバラバラだったら……。


そもそも相手の素性が分からない。

数で押された場合、無傷で帰ってくることは流石にあの三人でも難しいはず。ましてやリコを守りながら、なんて。


「はぁ……どうするかな」





最悪のシナリオ通りに進まないことを祈るのみだ。






とりあえず一旦四人のことは葵さんに任せよう。



そんな結論に辿り着いた私は、下が騒がしくなったことにようやく気付いた。



扉に近づいて耳を澄ます。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る