ニンゲンのカタチをしたバケモノ

これまで様々な世界で生命を奪って来ました 正しい側に付けば行ないも正当化される筈という 浅ましい思慮で 元同胞の生命を狩り尽くし 地獄に何度も蹴落として 記憶を全て取り戻すまでニンゲンの振りをした醜いバケモノの様に 彼らの業のせいにして罪と向き合うことを 恐れていた


だけど今は 誰かや自分を護ったり 生命を維持するという生存本能以外で命を奪うことは どんな理由があろうと絶対悪であり 相対的で二元的な善悪とは どこまでいっても本質的には生存競争に過ぎないのだと僕は気付いた 故に生きることは必然的に悪である


だが生命を奪ってきたこと自体は赦されることでもないし その過程で様々な人を傷付けて 悲劇を生み出してしまったことは 全て俺が選択を間違えてしまったというのが全てなのだろう 


だから 俺は 一生涯を掛けて 背負った生命の重さを実感し 最後まで生きると そう誓ったのだ


そして未来永劫 赦されることは無いとしても

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