第776毛 記録者ジャック・サンセイによる抜粋 誇り/驕りの書

---- --- より


一部を抜粋




息詰まる。


行き詰まる。




そんな表現が相応しいかの如く




ラキは




その場から動けなくなる。





ラキ「…っ………カハッ…」ハァハァ…





「………これしきの『圧』で、口がきけなくなる程、お前は『弱い』のか?? 違うだろう。それも『演技』か?」



ズズズ…





「今一度問おう。何を見た?」





ラキ「っ………っ………グッ………」




ラキは







逡巡する。







普段なら







すぐさま謝り







全て話し






最終的に許される流れに持っていくのだが










持っていくのだが………










………


アリガトネ「ラキさま!!面白い!!♪」


ラキ「そうでしょそうでしょ〜♬ もっと色んなことできるよ〜☆☆」


アリガ「すごい!! なになに〜??」


ラキ「そうだな〜☆ ベル様を高い木に置き去りにするとか♪」


黒猫ベル「え!?」ビクッ


アリガ「すごい!! …でも、かわいそう!!」


ラキ「まぁそうだけどさ〜☆ 困った顔とか、見てみたくない??♪」



アリガトネは


その問いに


アリガ「ウツクシくないから、見たくない…」


ラキ「! え??」


アリガ「ほんとにイヤなことを笑うのは、ウツクシくないです! 面白いのは、みんなが面白くないと、笑えないし、ウツクシくないです」


ラキ「……………」


アリガ「だからラキさま!!」


ラキ「……なに?」



アリガトネ「悪いイタズラとか、悪いことを誤魔化したりしたら、ラキさま、ウツクシくなくなっちゃうのでダメですよ!!」


………












ラキ「………っ……………父上……………ッグ………」



ラキは



圧を全身で受けながらも





父親を真正面に捉える。




父親「! …ほう……」



父親は僅かに片眉を上げる。





ラキ「っ……父上……父上は、行いを……誇ることができますか?? …」ハァハァ…



父親「……なに?」




ラキ「…ボクは……ボクがやってきた悪戯は……間違ったものも多くありました…。今回、偲び込んでしまったのもそう…です。…本当に、申し訳ありません……」


父親「………」



僅かに





父親からの『圧』が和らぐ。



ラキ「…ボクは……面白いことが好きです。皆が思いもよらないことを試して、驚く様子も好きです。…皆が、笑ってくれたら、ああ、やって良かったなって、思えるんです。……ただやっぱり、倫理というか、道理に沿わないというか……『誰かが笑うために、誰かが悲しむ』ことは……したくない、と思うようになりました」


父親「……………」



ラキ「……父上。ボクは、変わります。そして、ボクはボクがすること、成すことに誇りを持っていけるよう努力します。……そのうえで、です」




ラキは



強く



強く




父親を見つめる。





ラキ「…父上。父上が今なさっていることに、父上は誇りを持っていますか?? 隠す必要があることなら、やるべきではないのではないでしょうか?」













一瞬の静寂。






ラキ「……………」





そして






父親「………フッ」




ラキ「!!」





父親「質問しているのはこちらだというのに、生意気なことだ」


ラキ「! ………」



父親「……ラキよ。お前の意思は良いだろう。どんな存在になりたいか、どのように振る舞うべきかは、カミとして各々考えるべきだ。だが」



ラキ「!!」ビクッ




父親は冷たい眼差しを



息子に向ける。




父親「お前はまだ若い。知る必要のないこと……いや、『今のお前では理解できないこと』は、確かに存在するのだ。私が…『我々』が目指しているのは、無闇矢鱈(むやみやたら)にひけらかすような事ではないのだ」



ラキ「……………父上………」



父親「……まぁ良い。ナニカを見ていたとしても、到底お前には『まだ』理解できまい。先程きいたお前の意思が真なら、もうこのような愚かな真似はしないだろう。さぁ、もう行きなさい」



父親は



ラキへの興味が薄れたように話す。






ラキ「……………」




ラキは







ここで











『きっかけ』を創ることとなる。

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