第41話
◇1. 別の洞窟へ入る眷属の姿
夜闇の中、イリスは荒れ果てた岩場の洞窟に隠れるようにして身をうずめていた。
「……どうしよう……」
声に出すのも怖い。いつ眷属が近づいてくるかわからないからだ。
(あの狭い道を通って、絶対ここを見つけられちゃうんじゃ……)
荒(すさ)んだ息を吐きながら、イリスは洞穴の入り口からこっそり外を覗(のぞ)き込む。
すると、ひとつ岩場を隔てた先の洞窟入り口から、眷属(けんぞく)の姿が見えた。
小柄な体躯(たいく)で、まわりを警戒するようにして中へ入っていく——あれは、さっきまでイリスを追っていた男の一人だ。
「そ、そっちは違う洞窟……」
呟(つぶや)き、ホッとしかけるが、次の瞬間、彼女の背筋に寒気が走る。
(もし、あっちに自分がいないってわかったら……今度はこっちを探すかもしれない。そうなったら……!)
鼓動(こどう)が早まり、足がすくむほどの恐怖が再びイリスを襲う。今は間違いなく、眷属が別の洞穴に入り込んでいる。
しかし、それもいつまで時間を稼げるかわからない。生け捕りを命じられている以上、彼らは執拗(しつよう)にイリスを探すはずなのだから。
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