第21話
◇1. 漆黒のリーダーと、その視線
村を出た後の夜闇の荒野は、いつも以上に冷え込む風が吹いていた。
**ルシファード (Lucifard)は先頭を歩きながら、ちらりと後ろを振り返る。そこには、囚(とら)えられた少女——イリスが、ガルサーグの大きな腕に掴(つか)まれ、痛そうに足を引きずっている姿があった。
ルシファードは、夜族の領主から出された「イリスを生け捕りにせよ」**という任務を冷静に思い返す。
その命令が最優先事項だ。彼は私情を交えず、ただ任務の完遂(かんすい)のみを考えている。
「……遅れるな」
低く落ち着いた声が、夜の中に溶けるように響く。ガルサーグが面倒くさそうにイリスの腕を引っ張って歩調を合わせる。
背の低いゼアハが楽しそうにその様子を見やり、サルグリッドは杖を携(たずさ)えて静かに後方を進む。
(あとどれくらいで廃村に差しかかる……?)
ルシファードは自らの超感覚で、道の先を測(はか)るように薄紅色(うすべにいろ)の瞳を細める。
「あの廃村を通れば、領主の城への近道だ。今夜中には到着できるだろう」
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