第15話

◇3. 子供たちを人質に

 静まり返った村の空気を、ガルサーグの爪が地面を削る音が裂(さ)いていく。

 「……いねえな、イリスとやら。どうする? ここを血で染め上げてから探すか?」

 大柄の笑みが凶悪に広がる。

 それを聞いたサルグリッドが、杖を地面に突き刺すような動作を取った。

 「ふむ……人間どもを少し痛めつければ、あるいは本人が出てくるかもしれん。どうかね、ルシファード?」


 リーダー格であるルシファードは首を少し横に振り、冷徹な声を落とす。

 「領主様の命は生け捕りだ。殺しすぎても面倒になる。……ただ、手段は問わない」

 彼の瞳が赤く光り、ゼアハがニヤリと口角を上げる。

 「じゃあ俺がちょっと遊ぶとしようか。たとえば、あの子供たちをさらってみるとか」

 そう言うと、ゼアハは路地の奥で隠れている子供たちを一瞥(いちべつ)する。

 「か、悲鳴を……あげさせれば……いいんじゃないか?」

 村人の一人が声を上げようとするが、あっという間にガルサーグに突き飛ばされる。


「さて、何人か人質にとれば、イリスも姿を見せるだろう?」

 ゼアハが子供らを狙うと、周囲の大人たちは「やめろ……!」と叫びつつ、何もできず足がすくんでしまう。

 子供たちが怯(おび)えきった目で泣き崩れ、ゼアハに腕を取られて引きずられる。

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