第14話
◇2. 自分が生贄に選ばれたことを知る
(何で私の名前が……?)
イリスは隠れたまま思わず頬(ほお)がこわばる。
眷属がわざわざ「イリス」という名を口にしている――つまり、“自分”を探しているということ。
恐怖と疑問が頭を支配し、一歩も動けなくなりそうになる。
すると、そこへ村の有力者らしき男が、震える声で話し始めた。
「な、なぜイリスを……? ここには、ほら、もっと他に役立つ者が――」
男は必死に眷属をなだめようとしているが、ゼアハがそれを嘲(あざけ)るように遮(さえぎ)る。
「残念だが、領主の命令さ。お前らごときが口を挟(はさ)むんじゃないよ」
ゼアハの暗い瞳がギラリと光り、男は悲鳴を押し殺して後ずさる。
イリスは息を呑(の)む。
(……私を差し出すってこと? 生贄として?)
そんな思いが脳裏をよぎり、緩(ゆる)い眩暈(めまい)に襲われそうになる。
(やっぱり……私が選ばれたのね。いつかこうなると思ってた。でも……)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます