第11話 夏休み前の大イベント!!!

「一時間目は、劇鑑賞会の内容を考えよう!」

小澤先生がそういうと、みんな、ぽかん。

「劇鑑賞会は、クラスで劇を発表してみんなで鑑賞するイベント。

一番よかったクラスにはトロフィー。各学年のMVPにもトロフィー。」

トロフィーという言葉に、皆がオオーッとざわめく。

小澤先生は満足そうにうなずく。

「今日はどんな話にするか決めましょ。じゃあ、グループで話し合って」

『は~い♡』


皆がワイワイと騒ぎだす。

「なにがいいかなあ?」

サリーがマーレに問いかける。

「トランプの世界,,,,。」

マーレがボソッとつぶやく。

「お話をもとにした方がやりやすいし、トランプの世界でどうかしら。」

「お、いいじゃねえか。」

「さんせーー!」

「なるほどみゅんっ。」


リールが先生に「トランプの世界っ!」と伝えると、先生はカッカと黒板にみんなの案をかきだす。

そして投票タイムが始まった。

「最初は歴史。」

「次、トランプの世界!」

(サリー様の姫姿ッ!?)

(サヒト王子ッ!?)

こんな想像がクラス中に広がり、皆がトランプの世界に投票した。

「じゃ、役決めです。」

皆がビビッと顔を上げる。

そして一気に役が決められた。


ハート王国    サリー、トモ

クローバー王国  リコ、サヒト

ダイヤ王国    リール、リク

クローバー王国  マーレ、スクー

チェス      ユウキ、ルナ、クルミ、アナ、サナ

メイド&執事   コト、ルイ

音楽&背景    タキト

ナレーション   エミリ

  

と、なった。

それから次の日、先生が作った台本はびっしり!ちょっとのぞくと、、、


マーレ・さあ、行きなさい。(リコを指さす。そしてサヒトを見る)

サヒト・いいのでしょうか、あそこに入って,,,,?(不思議そうにマーレとリコを交互に見る。)

マーレ・やむを得ない状況よ。さあ早く!(最後は力強く)

サヒト・(駆け出す)

リク・(焦りながら)やはり来たか

リコ・(目をゆっくり開けて。)待って、こないでいい。


という感じ。細かい,,,,。

まあ、暗記魔法を使えばいいのだが。マーレは思う。

__暗記魔法のテスト的なイベントなのか?

と。でも誰も気づく様子はなく、先生は笑っていた。


それからというもの。ほとんどは劇で授業がつぶされた。

衣装作成部、小物作成部、劇練習部(王子、姫のみ)、台本修正加筆部、背景作成部、音声・効果音練習部。

そして翌日になった。

皆が考えてることはほんとそれぞれ。

サヒトのクラスに負けそうだと考えている男子

自分のドレスが楽しみな女子

などである。


小澤先生が台本を持って呼びかける。

「今日はリハだよ!」

『おーーー!』

それから、皆が熱演を始める。

絵本の物語とはいえ、それを劇にするのは大変である。

力の限り皆が演技をする。

そして演技が終了する。

皆がへとへとで座り込む。そこで小澤先生がやってくる。

「大丈夫か?明日本番だけど,,,,。」

もはやみんなは、笑うしかなかった。


そして迎えた当日。サヒトはごくりと息をのみ、ドアを開ける。

「おは,,,,」

そこまで行ったところで、クラスの中の景色が目に入る。

「よう?」

クルミ(サヒトファン)が泣き、ルイ(サリーファン)が座り込む。

「サヒト君,,,,♡」

「どうしたっ!?」

クルミが「それが、、」と口を開く。


「サリーの衣装がないのっっ!!」


サリーの衣装は衣装作成部が気合いを入れて作った(マーレ、サヒトの分ももちろん)ドレスである。

サヒトがクルミの肩をつかむ。クルミが頬を赤くする。

「作れねえのかっ!?」

「う、うん,,,,♡」

「どこにも?」

「うん。」

__ほかのクラスのやつか。

サヒトは朝の風景を思い出す。

ピーン!

朝にいたサヒトのクラスに負けそうだと考えている男子。

_あいつはトキ。1-3だな。

サヒトはドアを勢い良く開け、走り出す。

そこに思わず、クルミは見惚れていた。

コンコン

ノックをするサヒト。

「なんだよ。あっっ!」

トキが運よく出てきた。「サヒト,,,?」とつぶやくトキ。

「お前か!衣装を盗んだのは!?」

「いやっ、俺は違う!」

トキは慌てて挽回する。

「俺は盗んでないっ。借りたんだっっ!リールに衣装の参考としてっ」

ぽかん。

サヒトがあっけにとられる。目を点にして口を開ける。

そこにクルミがやってくる。

「サヒト君っ」

「クルミ!」

名前を呼ばれて頬を赤らめる。そしてリールをくいっと引き寄せる。

「ごっめ~ん。あたしが貸したんだぁ」

「はあっ!?」

「はいこれ~。返された衣装っ。」

そういってリールが出したのは、

リボンにふわふわのスカート。ゆらっと揺れる袖。

絶対サリーが着たら可愛いと感じられる衣装であった。

「リ~ィ~ル~~!?」

「ごっ、ごめんっ」

そこでクルミが全力のサヒトにまたもや惚れる。

「もうすぐ劇だよ、サヒト君♡」

キュンッ。クルミは自分で名前を読んでしまったことに真っ赤っか。


そして衣装に着替えるときとなる。

サリーは首の前でリボンを結び、ピンクの振袖をゆらっと揺らし、来るっと回りスカートが揺れる。

サヒトはマントをフッと羽織り、青いシャツを華麗に着こなす。

マーレは銀色のネックレスに青い宝石を付け、落ち着いたドレスを着る。

それぞれに合った、最高の衣装であった。


そして体育館。

「今こそあの恨み__。はらしてやる!」

劇をしているのはスミレのクラス。なぜか男役をやっているスミレ。

相手をしているタクにみんな惚れる。

「そんな___。」

レーナのクラス。レーナが姫姿で涙を流し、皆が絶叫する。


「次は、トランプの世界。」

リコが頭を抱えながら、舞台に上がる。

「ここは、トランプの世界。ハート、ダイヤ、スペード、クローバーの四つの王国がある。ハート王国を見てみよう。」

サリーの可愛い城に、猫の背景。

「姫はサリー、王子はトモ。」

トモがバイオリンを弾く。サリーの姫姿に皆が騒ぐ。

「サリー!」

「おっと、ダイヤ王国がやってきた。ダイヤとハートは友好関係にあるのである。王子はリク、姫はリール。とてもフレンドリー。だが、仲の悪い王国が二つ。」

クローバーのマークが入った城の背景。

「今日はスペード__リコ様達と面会です。お母様」

「用意を始めましょ。」

「王女マーレに、王子スクー。これが一つ目のクローバー王国。」


「よおっ!」

サヒトがやってくる。サヒトの姿にみんなが歓声を上げる。

「王子はサヒト、姫をリコ。美人王国で有名。」

そこに、急に靄が現れ、リクが現れる。

そしてリコにクロロホルムを嗅がせる。

リコは眠ってしまう。

「現れたのはリク!リコをさらおうとしているのかッ!?」

「来るなよ、こいつはもらってくからなあ!!」

リクにスクーが近づく。

「おやめください,,,,,,!」

「くるなっつっただろ」

そういってナイフを取りだすリク。

「さあ、行きなさい。」(リコを指さす。そしてサヒトを見る)

「いいのでしょうか、あそこに入って,,,,?」(不思議そうにマーレとリコを交互に見る。)

「やむを得ない状況よ。さあ早く!」(最後は力強く)

(駆け出すサヒト)

(焦りながら)「やはり来たか」

(目をゆっくり開けて。)「待って、こないでいい。」

台本通りに皆が動く。

リコは手を払いのけ、リクにけりを入れる。

小声でクラスのみんなが「ヤリスギ,,,,,,」とつぶやく。

舌打ちをしてリクが逃げ出した。

だだだだだだだだだだ。

休む間もなく、誰かが現れる。

「今度は何っ。」

マーレが動揺する。そして叫ぶ。

「チェ、チェス族っ!?!?」

チェスの駒を首にぶら下げ、走ってくる軍団は、トランプ世界最大の敵であるチェス族だった。

「構え」

冷静にマーレが指示を出す。

それから魔法を使った戦いが繰り広げられた。

リコは倒れ、サヒトが集中攻撃を受ける。周囲に魔法の矢が飛び交う。

そこに、

「オラオラァ」

「なーにしてんだっつうの。」

とう声が響く。

「オメエラ弱すぎ。そーゆうときは助けよべっつうの。」

「そーよそーよ」

「何なら加勢してやろーか。楽しそーじゃん。」

「1,2,3,4,5,6.6人だよ。」

「大丈夫。」

それは、なんと敵国のトップである、トモ、リク、サリー、リール。

そしてトランプ軍となる。


「「「「「「「「行くぞっ!!!」」」」」」」」


そしてまた激闘が繰り広げられる。

そしてサヒトが、魔法弾をバリバリと作り出す。

そして一番大きい魔法弾が周りをまばゆいほど光らせる。

そして王に向かって突撃してくる。

どっかーーん!

そんな音と共に、相手の王が倒れる。

「王を捕まえたぞ!」

そして皆がわああと騒ぐ

「その、サンキューな。敵だっつうのに。」

「いえ、こちらにとっても大変な相手でしたので。」

サヒトとサリーが話す。そしてマーレが頭を下げる

「お礼に皆様の望みをお聞きいたします。」

「「「「い、いいんですかっ!!??」」」」


サリーはにこりと笑う。

「ならば、お言葉に甘えて。」

リコはハラハラとする。

買収されるかも、仕えなくてはいけなくなるかも。

不安が渦巻く。

サリーが口を開く。


「敵対関係を、やめましょう!!!!!!!」


「敵対関係をやめるぅ?」

皆がはてなでいっぱいになる。

「そしたら今のように助け合える、助け合える関係でいられるのです。」

そこでメイドのコトが口を開く。

「わっ、私は賛成です。いっそ一つの国にしてみてはいかがでしょうか」

「こと,,,,,,」

マーレは一時沈黙。そして口を開く

「__お望みとあらば。」

サリーはにっこりと笑う。

「ではそういうことで。」

リクは戦えないことに少し残念そうにする。


そして、マーレとサリーが握手する。


王女   マーレ

王様   リク

騎士団長 サヒト

代表姫  サリー


となり、一つの国が生まれたとなったのだった。

めでたしめでたし


そして皆がぺこりと頭を下げる。


「それでは投票時間です。」

「一年生MVPの発表です。」

校長が現れる。トロフィーを持って。


「一年生MVPはマーレ。真に迫った演技はまさに本物でした。よって一年生のMVPとして称します。」


「二年レーナ、三年スミレ。」

学校三大女子がそろってトロフィーを受け取る。

そして学校一位は復讐を止めろ。スミレのクラスとなった。

皆は残念がりながらも、来年を楽しみにするのだった。

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