第4話 夜のお供はラジオです

 1人で黙々と走るのはとても大変です。何か考え事があったりするときはいいのですが――特にそれが新しい作品について思いをめぐらせているときなどは――そうでないとマジ暇です。


 なので長距離ドライブでドライバーがラジオを聞くように、私は自転車の場合もラジオを手放せません。特に夜の場合は。


 今回、Bike Fridayをセッティングする際に重視したのもラジオの取り付けでした。


 都道府県によって違うのですが、基本的にヘッドホンをつけて自転車を走らせるのは違反になります。都道府県でどうなっているかなんて気にしている余裕はないので、ラジオを直接ハンドルバーにとりつけて、そのスピーカーで聞くようにしています。ラジオは何種類か持っているのですが、今回選んだのはTECHSUNのPL380というDSPラジオです。割と大きく、重く、単3を3本使います。


 普段はスマホホルダーに単4を2本使用するかなり小さいDSPラジオをつけているのですが、PL380だと重すぎて傾いて寝てしまいます。そこで今回はスマホホルダーは諦めて、ハンドルバーに取り付けるバッグの上にマジックテープで留めました。


 PL380はラジオの最先端をいく中国で作られているベストセラー機です。地元のコミュニティFM局が、SONYのポケットラジオだと市内での聴取がいいところなのに、市外10キロ以上聞けてしまうという高性能の上、ボタン1つで聴取できる放送局を登録してくれるという優れものです。神奈川を抜けた辺りからこの機能が大活躍するに違いありません。


 国道246号を走っていると、陸橋が増えてきます。陸橋は自転車進入禁止であることが多いので、道路標識には気を付けます。また、自転車が通れたとしても傾斜がきついこともあるので、その場合は下を行きます。


 黙々と走っていると多摩川を越える河川橋が始まり、ここでいったん国道246号からお別れです。二子玉川駅方面に曲がって、多摩川を渡ってから国道246号に戻ります。


 この頃はもうラジオ深夜便が始まっていました。


 この日は徳島放送局制作のラジオ深夜便で、徳島の話題満載です。東京で活動されていたミュージシャンの方が徳島に戻って、最先端のものは東京にあると思って刺激を受けていたけれど、今は徳島の自然にこそ最先端があるのではと考えているという話を聞きました。それは確かに人間が作ったものの最先端は東京にあるけれど、自然は何億年もの進化の末に存在するものなので、今の自然こそが何億年の生命史の中での最先端・最新だというのです。


 分かる話です。


 六本木を通ってきたので六本木を思い出したのですが、六本木と自然界を比べたのであればどれほど世界の深さが違うことかと感じ入りました。


 そのほか、コミュニティの違いや文化の違いも聞きました。伝統料理では酢を使わず、ゆずを使うという話を聞き、寿司でもゆずだということで、軽く驚きました。今度、長距離旅行するなら四国かな、と考えてしまったほどでした。

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