第2話 質問の答え...
「実は……いるよ。」
僕は少し緊張しながら答えた。華乃が驚いたようにこちらを見つめる。
「そうなんだ。」
彼女は一瞬だけ口元を引き締めて、それから小さく笑みを浮かべた。
「どんな人なの?」
「え?」
その質問に僕は少し戸惑ったが、言葉を選びながら答える。
「うーん、優しいけど、ちょっと不器用で……笑顔がすごく素敵な人。」
華乃は僕の言葉をじっと聞いていたが、ふいに視線を下に落として微笑んだ。
「へえ……それって、高中の人?」
僕は一瞬黙り込んだ。正直、もうここまで来たら隠すことなんてできない。
「うん、しかも同じクラスだった。」
「え!?、誰なの?」
華乃の声には、どこか期待と不安が混じっているように感じた。僕は彼女の目をしっかりと見つめて言葉を続けた。
「華乃だよ。」
その瞬間、彼女は目を見開き、驚きで声も出せない様子だった。冬の冷たい空気の中で、僕の言葉が静かに響いていた。
「ずっと前から好きだった。高中にいた頃から、ずっと。」
自分の気持ちを正直に伝えた僕は、心臓が破裂しそうなほど鼓動を感じていた。言葉を待つ間、秒針の音がやけに大きく聞こえるようだった。
やがて、華乃が小さく口を開いた。
「……本当に?」
その問いに、僕は力強く頷いた。
「本当だよ。」
華乃は一瞬何かを考えるようにして、それから顔を上げて微笑んだ。その笑顔は、これまで見たどの笑顔よりも輝いて見えた。
「私も……輝人のことが好き。」
その言葉が聞こえた瞬間、僕は自分の耳を疑った。でも、華乃の頬が少し赤くなっているのを見て、これは現実なんだと理解した。
「……本当に?」
僕が聞き返すと、華乃は頷きながら少し照れたように笑った。
「うん。言おうと思ってたんだ。でも、なかなか勇気が出なくて……だから、聞いてみたの。」
僕は胸の中が温かくなり、気づけば笑顔が止まらなかった。
「ありがとう、華乃。」
その後、僕たちは少し恥ずかしそうにしながらも、自然と手を繋いで歩き始めた。冷たい冬の風も、今はどこか心地よく感じる。
――新しい年の始まりに、僕たちの関係も新しい一歩を踏み出したのだ。
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