ネット恋愛なんて馬鹿らしい

煌を逃すな

第1話 現実至上主義

「あー、彼氏ほしいなぁ。」

そう呟いたのは、私の親友である陽葵。

「ふっ笑あんたは一生独身かもね笑」

鼻で笑って返す。

「はぁー?!それは絶対ないし〜。てゆーかそう言う優希はどうなのよ?」

「うーん…いい男がいれば、ね笑」

すまない、我が友よ。それは嘘だ。本当は私も彼氏が欲しくて堪らない。しかし、1度煽ってしまった以上なんとなく引き下がれない空気感を感じたのだ。

「なによそれ?!笑」

陽葵は本当にかわいい。さっき、ああは言ったけれど本当のところを言うと、陽葵ならいつ彼氏が出来てもおかしくないと思う。

「あーそう言えば、最近はネット恋愛も流行ってるよね〜。リアルでは出来なくても、そっちだったら楽勝そうじゃん?」

…。陽葵はネット恋愛なんてする必要微塵も無さそうだけど。それに、私はネット恋愛はイマイチよく分からない。だって、お互い会ったこともないのに、どうして好きになれるの?

「まあねー。私はよくわかんないけど。」

そう思ってテキトーに返事した。

「私もあんましだな〜。友達位ならいいけど、恋人はちょっと…。」

あ、陽葵も私と同じ考えだったんだ。良かった。陽葵に急にネットの彼氏が出来ても困る。私はなんの相談にも乗ってあげられないかもしれないから。

「たしかに。まあ、うちらには関係ないっしょ!笑」




そうだ。私達にネット上の関係なんて無縁。現実での関係を大切にした方がいい。

昨日確かにそう言ったのは紛れもなくこの私だ。

しかし、私が今やっていることは、トゥイッターの新垢を作るためだ。それも、「ネッ友」とやらを作るための。

なぜネットでの関係を否定したくせに、こんなことをしているのか。

それは、どうしても私の大好きなアニメ「らんふぁみ!」について語り合える相手が欲しかったからだ…。


第2の私の名前は、らんふぁみと優希の頭文字から連想して、「らーゆ」。

こうして、本来なら起こるはずの無かった出会いが生まれた。

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