第28話 多分この男。物好き
机と椅子がなくなった日の放課後。千鳥橋が乗り込んできた。
先に言っておこう。
やめてくれ。
もう一度言っておく。
やめてくれ。今絡んでこなくていいから。
この身体になってというか。多分飛鳥さんにならなくとも。この男と知り合ったらなんとなくわかるようになることだと思うが。この男まっすぐすぎる。首を突っ込んだらずっと突っ込んでいるとでもいうか。さすがに周りのことをまだちゃんとわかっていない俺でもわかったぞ。こいつが絡んでくると絶対事が大きくなる。
机と椅子がなくなっていた。などはもうどうでもいいレベルだ。
絶対この男が絡むと――面倒になることはわかった。わかったから。
千鳥橋よ。頼むから今は絡んでくるな。なのだが――。
俺が心の中でそんなことを思っているだけでは千鳥橋に何か伝わることもなく。
俺の教室。正確には飛鳥さんの教室へとズカズカと入って来る千鳥橋。
どこの主人公かな?
もしこれが物語ならば、男だったはずなのに。知らない女の身体の中に入っている俺の方が主人公じゃないかな?
でも今の雰囲気を見ると――クラスの注目を集め。
今日登校したら机と椅子が消えていた生徒を助ける――良く焦げたハリネズミ。
なんというのか。いろいろなところに首を突っ込んですべて解決して見せます主人公――そんなのあるのかは知らないが。
でもなんか主人公かもしれない男が迫って来るんだが――俺はどうすればいい?
なお、千鳥橋は雰囲気的に少しご機嫌斜めというのが聞かなくても見れば分かる――いや、俺的には別に代わりに怒ってもらいたいとかそんな事ないんで、むしろ平和を崩さないでほしい。何とか今日こそ1日終わったと思ったのに――どうして延長戦をしようとしてくるのか。
俺はどこで選択肢を早々と間違えたのだろうか?
「お前ら。こんな事していて恥ずかしくないのか?」
放課後の教室に響く千鳥橋の声。
その声は良く響き。廊下に居た生徒も何事?と少し顔を覗かしている。
ほらー、めっちゃ注目されてる。そして面倒なことにおなりそうな雰囲気じゃん。
ちなみに俺の勘で言うと。こういうことがあると――エスカレートする事も……とかとか思う俺の思考は無視され。千鳥橋は話す。
「誰がやってるかは知らんが。机や椅子隠す。それに前は掃除中に
あれ?下駄箱のことも千鳥橋知ってるのか?いや、なんで?というか。千鳥橋の方が飛鳥さんのされたこと知りすぎていて怖くなるんですが――。
俺の近くで立ち止まり教室内に語りかけていた千鳥橋から一歩離れる俺。
「なんか言いたいことあるなら口で言え口で。コソコソ話しているその口で。噂広げる暇があるなら口使え。あとな、見て見ぬふりしている奴らも同罪だぞ?これだけ毎日のようにいろいろあって知らう存ぜぬとか。気が付いてないとかないだろ?」
千鳥橋が語る中。
周りの状況を言えば、千鳥橋の行動に少し笑みを浮かべている。笑ってる男子のグループ。
千鳥橋が語りだしてすぐに教室を後にする者。
動くに動けなくなった者。
自分の席で下を向いた状態の者――と、いろいろな状況が生まれていた。
先に言っておくが俺が頼んだとかそういうのは一切ないからな?千鳥橋が勝手に動いているのだが――これどうするんだ?俺も動けない1人。
ここで俺がスタスタ千鳥橋の前を通って教室を後にするということも出来なくはないが――そうすると千鳥橋が周りの人から何してるんだ?みたいな視線を食らうことになるだろうが――いや、俺には関係ないこと――でもここまでなんか注目――って、廊下の方にも人が集まって来たからもう出るに出れない気がする――。
ということで、
俺の教室。飛鳥さんの教室では放課後変な空気が生まれ。
何人かの生徒が千鳥橋の語りを聞き。いろいろな反応をし。
多分あいつらだろうな。いろいろしているのは――と、俺が目を付けている集団は以外にも教室の窓際で千鳥橋の話を聞いて――はないと思うが。特に教室を出ることなく。
というか。興味なしでコソコソ何か話。時たま珍しいものを見るような視線で千鳥橋や俺を見るくらいだった。
多分――この場も楽しんでいる様子だったな。
ちなみに今俺がいろいろ思っている間も千鳥橋は俺の代わりに(マジで頼んでないからな?)語ってる。そして千鳥橋もターゲットは気が付いているみたいであからさまではないが。あの男子たち――そして女子に向かってチラチラ視線を送っている様子だった。
でも特に千鳥橋がいろいろ語るだけで、何か動くということはなかった。
動いたと言えば。この教室内の変な空気が周りに知れ渡ったのか。
たまたまなのか千鳥橋がいろいろ語った後に武庫川先生が教室へとやって来て、この場を解散させたのだった。
というか、いつまでもたむろしてないで帰れ的なことを言っただけだが。タイミング的には先生が口を挟んだことで動けなかった生徒が一気に動いた感じだった。
武庫川先生。ある意味動きたかった生徒を助けた形――まあ千鳥橋は少し武庫川先生にも言いかけたが。
「悪い。次の用事があるから何かあるならまた別の時にしてくれ」
武庫川先生。さらりと千鳥橋をかわしていた。
千鳥橋。武庫川先生にはほぼ何も言えずだった。
あの先生――敵か味方かマジでわからない。
と、俺がいろいろあっけに取られていると、いつの間にか多くの生徒が消え。
男子集団。女子らも消え――焦げ橋。失礼。千鳥橋と俺。数人の生徒が残るだけとなったのだった。
いや、どうしてくれるのこれ。
俺明日から不登校になるかもよ?こんな空気作った犯人ではないが。明らかに俺が原因みたいな雰囲気だったし。
まあ不登校には俺ならないけどさ。
とりあえず――たくさん語ってくれた千鳥橋を見る俺だった。
そうそう、当たり前だが。千鳥橋にときめいた――とか言うのは一切ないので。
今から俺はどうやってこの焦げ橋を焦がそうか考えているところだ。
俺の平和を奪うと焦がす。
ヤバいな。
千鳥橋のせいで俺も思考がおかしくなっている気がする。
まあとにかくこの焦げ橋を何とかしないとだな。
ことあるごとに行動されたら。俺じゃなかったらどんどん居場所なくなって引きこもるぞ。多分。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます