幕間 星神世界設定・クラスシステム基礎編

●【星神加護(=クラス)】システム:

 この世界のあらゆる生命は、我々の現実世界と何ら変わらない存在です。当然、ゲームの世界のように、数値化された各種値などで管理されている存在ではありません。

 ただし、この世界の管理機能である【星神】が、それらの生命に対して【加護】という形の各種能力強化を行っており、それを一般に【星神加護(=クラス)】と呼び、そのシステム上でゲーム世界の如き解釈がなされています。


 この【クラス】によって得られるのは、一般に【能力補正】と【固有特性(=スキル)】という二種類の特殊効果になります。

 この世界はゲームの世界ではないので、本来【能力値】という考え方は成立し得ませんが、ここに【クラス】による【能力補正】が加わって、擬似的に【能力値】という概念が成立しているかのようにふるまいます。それは【スキル】に関しても同じであり、【クラス】ごとに固有の各種動作・行動への強化が入って、それによって【スキル】という概念があるかのようにふるまうわけです。


 さて、この【クラス】には加護の強さを表す段階が存在しています。これを【クラスLv】と呼びます。

 これらの【クラスLv】は、各【クラス】事にある程度決まった修練・経験を積む事で、一定期間ごとに段階的な強化が行われてゆきます。こういった鍛錬・経験は、例えば剣術を習う、魔法を勉強するなどとは別に、――多少の連動はあるものの、積んでゆかなければならないものです。

 一般にその上限は【Lv30】が一つの区切りとなります。これを【一般階位(=ノービスランク)】と呼びます。この領域の人々はいわゆる、この世界における【一般人】に相当する人たちです。  

 それ以上を越えて【クラスLv】を上昇させるには、特別な訓練、試練、魔法のアイテム、などが必要になります。これを【限界突破】と呼びます。

 【ノービスランク】から一段階【限界突破】した段階を【上級階位(=ハイランク)】と呼び、上限が【Lv60】となります。この領域になると【その分野の達人】として認知される、この世界の主戦力となります。

 さらに一段階上の階位を【至上階位(=エルダーランク)】と呼び、上限が【Lv90】になります。この領域は世界でも上澄みであり、【英雄】と呼ばれても当然の存在とみなされます。

 とりあえず、普通の条件で【クラスLv】を上げられるのは、この【Lv90】が最上限となります。

 しかし、それを超える者も確かに存在しており、【Lv91以上、Lv99まで】を【伝説階位(=エンシェントランク)】と呼んでいます。

 一般知識においては【Lv90】を超える場合、特別な【限界突破】条件を【Lv+1】ごとにクリアしなければならないとされており、近年、明確にそこに至ったとされる人物は、現役の勇者とその仲間であるレイ、彼に討伐された魔王しか確認されていません。


 さて、一般に【クラス】は一度覚醒すると、そのままの強化効果が維持されます。しかし、人間に関しては【クラス】システムを解析して、そこに修正をかける技術【加護調整(=クラスチェンジ)】が存在しています。

 これによって、現状の文明、文化、技術革新、などに合わせて【クラス】を新たに生み出す事が可能であり、それが人類圏が世界中に広がる要因になっています。

 要するに、例えば魔族であるならば、若くして覚醒した【クラス】によって将来の職が決まってゆくことになりますが、人間は覚醒した後も目指す職にあわせて【クラス】をある程度自由に変更できるということになるわけです。

 こういった新クラスは、後々の時代にも反映されるようで、新クラスが出来た直後にそれらのクラスに自然覚醒する者も存在しています。ただしそれらのクラス継承は、異種族間では発生しません。

 しかし、それが叶わない特殊な【クラス】があります。それが【特異加護(=ユニーククラス)】です。

 【ユニーククラス】は一度覚醒すると、それ以降どのような【クラス】にも変更ができなくなります。魔族などの一般的【クラス】は、人間の技術を使えば変更できるのですが、【ユニーククラス】だけはあらゆる変更が行えません。

 現状、近年において確認されている【ユニーククラス】は【勇者】【聖女】【蘇生者】等です。こういった【ユニーククラス】への覚醒は、一般【クラス】に既に覚醒している者が、何かの拍子でそこに至ることもあります。


●【能力補正】:

 この世界の生命の能力は、現実世界のものとほぼ変わりません。現実的な範囲で力を持つものなどがおり、物理法則を歪めるような存在はありえないのです。

 通常の人間は無論、魔界の人間である魔族に至っても、ある程度の違いはあれ現実的な範囲を超える力は持っていません。

 以上を覆してしまう要素が【クラス】システム上の【能力補正】です。


 【能力補正】はあくまでも加護であり、意識的に機能しないようにすることが出来ます。そうする場合は普通の人間と変わらなくなります。

 加護のない人々の能力は、主に【運動機能の高さ】と【魔法に対する適性】と言う二種類の要素の細かなバランスによって表されます。【能力補正】はそこに、それぞれ三要素の加護を付与します。

 【運動機能の高さ】への加護は、【腕力/STR】【器用さ/DEX】【素早さ/AGI】の三種類です。【魔法に対する適性】への加護は、【魔力/MAG】【知恵/INT】【精神/WIL】の三種類です。

 なおこれらとは別に、【耐久/CON】という加護も付与されます。

 【腕力/STR】【魔力/MAG】はそれぞれの発揮される出力の高さを、【器用さ/DEX】【知恵/INT】は発揮する際の精密さを示しており。【素早さ/AGI】は素早い動きと回避に関する対応能力、【精神/WIL】は発動した魔法の安定性と受ける魔法への抵抗力、をそれぞれ示します。さらに【耐久/CON】は物理魔法を区別しない身体への損傷を防ぐ耐久能力の高さを示します。


 これらの加護は【クラス】によって決められますが、【クラスLv】ごとの能力値上昇には個人の才能がかなり影響を与えます。当然、生まれ持った才能をもとにした【クラス】になったほうが、後先有利になるのです。


●【スキル】と【効果Lv】:

 【スキル】とは、各【クラス】ごとに固有の各種動作・行動への強化のことを指します。いわゆる【特定の魔法を扱う才能】などもこれに含まれ、かなり大雑把な分類が成立しています。

 こういった【スキル】は、特定の技術を、より正確に、より高い効果で発揮させるための前提条件として機能します。ゆえに、固有の技術はあくまでそれぞれ個人ごとに習得せねばならず、【スキル】があればその系統の技術すべてを自動で獲得できる、と言うわけではありません。

 ただし、特定の技術に関しては、【スキル】の分類や各能力値によって、発揮される効果に上限がかかる場合があります。そのために、そういった技術には、あらかじめ【効果Lv】と呼ばれるものが設定されており、これを基準にしてそういった技術を行使することになります。

 代表的なのは【魔法】です。【魔法】には【Lv1~Lv8】までの【効果Lv】が設定されており、それを基準として発動されるのです。

 さて、こういった【スキル】には、精神状態を変化させる効果を持つものも存在します。そのため、特定の【クラス】に変更した途端、考え方が変わってしまうことも稀にあります。

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隠遁勇者の魔界再生~英雄譚のその先で……~ 武無由乃 @takenashiyuno00

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