俺の家の前に何故か天使様が捨てられている件
shiro
第1話
「気をつけて帰れよー」
靴箱に着き靴を履いて校舎から出ると急に肩を掴まれる。
「俺の事置いてくなよ瑞貴」
瑞貴とは俺の名前だ。
そして話しかけてきたのが
「リア充は近寄るな」
「なんだよそれ、小学校から一緒なんだからいいだろ」
柚琉の言う通り俺と柚琉は小学校から高校まで全ての学校が同じだ、俺はそんな奴を嫌う程ヤバい奴ではない。
だがこいつは俺よりも優先しなければならないものがあるそれは
「柚琉一緒に帰るよー」
「美華ちょっと待ってくれ」
そう、こいつには彼女がいるのだ。しかも学校でも美人で有名な
考えて見てほしい、帰り道友人とその彼女と帰るだけならまだいいだろう、帰る際にずっと「柚琉は私の事好き?」「大好きだぜ!」と言いながら帰る奴らの隣で歩かされる俺の気持ちを
まだこれだけなら良かった、美男美女カップルの隣に俺がいることで「お前誰だよ」という視線が飛んでくる
「お前は彼女と帰れ俺は帰る」
俺はそういい高校から出て家へと向かうため歩き始める。
「おい、待てよ!」
「ついてくんな俺は1人で帰るんだよ!」
「美華も急げよ!」
「お前は彼女と帰れ、ついてくんな」
そういい俺は柚琉を志野原さんの方へと押す
「おい!押すなよ」
「1人で帰りたいんだよ来んな」
そんな会話をし続けるが柚琉は一向に諦めないので俺が諦めて共に歩き始める。
「はぁ、本当にウザイ」
「なんだよそれ」
「ウザイ奴にウザイと言って何が悪い」
「俺はウザくな「ウザイんだよ」」
「お前らずっとイチャついててまじでウザイんだよ」
「なんだ?嫉妬か?羨ましいならお前も彼女作れよ」
「ニヤニヤすんな気持ち悪い」
彼女か、俺には関係ない言葉だな。彼女なんて居ても無駄だろう。そんなことよりも俺は1人で静かに暮らしたい、彼女が居れば時間が無くなるそんなのは嫌だ
「おっ?なんだ考えてんのか?まさか好きな人が」
「居るわけないだろ、彼女なんかよりも一人の時間の方が大切だ」
「お前ほんとに変わってるよな」
「そんなことどうでもいいだろ」
「彼女はいいぜ、可愛いし居れば幸せだし」
「あの、柚琉私がいる間にそんな話しないで」
顔を赤らめながら柚琉に話しかける志野原さん
「志野原さんも俺がいない方がいいよな?」
「いや、別に居てもいいよ」
「彼氏との時間もっと欲しいでしょ?」
「それはそうだけど」
「柚琉、志野原さんもそう言ってるからじゃあな」
そう言い俺は家へと走る
「おい、待て!はぁ、あいつ早すぎだろ」
「なんかごめんね」
「いや、美華のせいじゃないから別にいいよ」
◇◇◇
「はぁ·····はぁ·····し·····死ぬ」
あの後もし追いかけて来られたらと考えてしまいノンストップで走り続けた結果マジで死にそう
ん?誰だアレ俺の家の前で何してんだ?
前方をよく見ると家の前に誰かが座っているのが見える。
あれは女性か?20m程離れているので髪の毛の長さで判断したけど、俺に会いに来る人はいない
俺は女性と思われる人影に近づいていく。
やっぱり女性だよな。近づいてみたがやはり髪の毛の長さや胸の膨らみを見る限り女性としか思えない
「あんた何してんだ?――」
俺が声を掛けると女性はこちらむく
そのまま話を続けようとしたが女性がこちらを見てから俺は言葉を失った
女性は手に誰か拾ってくださいと書かれたノートを持っていたからだ。
この人俺と同じ高校の有名人じゃねぇか。
「··········えーと、誰かに拾ってもらおうと」
「何馬鹿なことしてんだ、そんなことせずに帰れよ」
「··········。」
「何かあったのか?」
なんで俺は話しかけてるんだ。自分の時間が無くなるんだぞ?
「じゃあ、俺はそういうことで」
そういい俺は家の中へと入ろうとする
「··········。」
「はぁ、とりあえず中に入るか?」
俺は来栖さんに問いかける
「·····いいの?」
「家の前に居座られるよりかはマシだろ」
頭をがしがしと掻きながら俺は来栖さんを家の中へと招き入れた。
「着替えてくるからリビングにいてくれ」
来栖さんにそういい自分の部屋へと向かう
はぁ、俺は何をしてるんだよ
自分の時間が消えてしまう
俺の家の前に何故か天使様が捨てられている件 shiro @siro20060213
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