くまなく
岳者
キャンプ
俺は今家にいる。
夏休み中だってのに家族揃っても家にいるだけだ。あまりにも暇すぎる。
暇だから小学生の時に買ってもらった図鑑を取り出した。埃かぶっていたので一息かけてから埃を飛ばした。
鳥の図鑑を見る。カモメって海しか居ないのか。あんまり実感がないな。次のページを開こうとしたらインターホンが家中に鳴り響いた。頭を掻きながら階段を降りる。
そして、玄関の扉を開けたらそこには沙美がいたのだ。ワンピース姿の黒髪ロングだ。
沙美の髪が日光に照らされてキラキラに見える。
面倒くさそうにしている俺を見てから沙美が「先輩からキャンプのお誘いがあったから行く?」と言われた。「行った方がいいの?」と返した。沙美が口角を上げて大きく首を縦に振った。
沙美「今日からキャンプがあるから早くして
ね?」
優守「今日かよ!メールや電話くらいくれ
よ。」
沙美「ごめーん!」
優守「準備してくるから待ってて。」
面倒くさいが家にいるよりはマシだから行く事にした。
自室に戻りやや小さめのボストンバッグを用意した。2、3日の着替えを入れて、水着も入れた。
リビングにいる親に「キャンプに行ってくる」とだけ伝えて玄関へ向かった。
沙美が「おかえりー」と言ってくれた。
玄関を出たら長時間待ったであろう車が止まっていた。白くてワンボックスだった。
沙美から車に乗るように言われたので扉を開け車の中に入った。
運転してくれるのは免許取り立ての大学生。
快時「君たちは高校一年生なのかな?見た目
的には中学生に見えるけど。」
沙美「そんなことないですよ。れっきとした
高校一年です!」
相変わらず沙美は元気だ。
それにしても快時っていう人は口調は優しいのに言っていることはひどいな。
優守「今からキャンプに行くんですよね?ど
このキャンプ場なんですか?」
快時「閉店間際だから安くなっているキャン
プ場なんだよ。レビューによれば鳥や
虫が多いってよ。安ければなんでも
いいけど。」
そう、言った瞬間に自分達と後ろにある物が揺れた。
持参した物を気になったのでシートベルトをしながらもトランクを少しだけ覗いた。そこには、釣り竿、クーラーボックスがあったのだ。その後はみんなは黙り込んでいた。
みんなが黙り込んだからテレビの音が聞こえるようになった。
〔溶越村で火事が起こり村全体が全焼
溶越村で死者が3名、負傷者7名
死者の身元は3名とも不明〕
どうせ、放火か不注意で火事になったと思っている。
考えていたらいつのまにか寝てしまっていた。横から「起きて起きて」と優しい声が聞こえた。
寝ぼけていてもわかる声だったどうせ沙美だと思って「どうしたんだよ」と言ったら、「あぁ!やっと起きた!」とよく聞いたら沙美じゃない。誰だ?
相手の方を見る。
優守「だ、だれですか?」
⁇⁇「私は快時くんと同級生です!快時くん
からキャンプに誘われたのあだ名はナ
ミです!
優守「あ、よろしくお願いします。僕の名前は
回谷優守です。」
そのまま、自己紹介も終わり車を降りた。
鳥の鳴き声が沢山聞こえる。雑音に近い音だ。眠気覚ましと言いたいくらいうるさい。
今の所は4人だけだ。
とりあえず4人だけ受付をしておこう。受付場所は小屋のような見た目だった。
中の人はニット帽を被って黒のジャンバーを着ている。
受付は快時がしてくれた。小屋の後ろには汚れている工具やハシゴが無造作に置いてある。
奥の方に行った。
そしたら、二つのテントが建っていたのだ。先着者がいるのかと思ったがこの人たちも快時の友達らしい。
1人は少し太り気味の男。
2人目はクール感のある女性の人だ。
1人目の人の名前は
2人目の人は
これで6人なのか。俺と沙美以外は全員大学2年生。
現在時刻は14:30だ。暑い時間だけど木が沢山生えているからそこまで暑くない。
だけど、キャンプと言えば!川遊びだ!
ボストンバッグから水着を取り出して草むらで着替えた。
そして、川に行く。そこには岾と雄二が口喧嘩をしているところを目撃した。聞き耳を立てる。
岾「どうして、貴方がキャンプ場を選ばない
のよ!鳥の鳴き声で眠れないわ!」
雄二「そ、それは仕方ないだろ…俺に言うな
よな。」
岾「じゃあ、誰に言えば良いわけ?」
(そのまま、雄二は黙ったままだった)
岾「あんたなんか知らない!死んでしまえば
いいのよ!」
(岾はそのまま去って行った)
俺は雄二に話しかけたかったけど雰囲気的に無理だったので少し離れた所で川遊びをした。
ところが、川遊びをしていたら滝沿いに来てしまったのだ。危なかった、転落する所だった。
そこには、物などが滝から流れないように網状の物が張ってあった。そこには空き缶などが溜まっている。環境に配慮するためなのだろうか。気にも止めず川遊びをやめた。
広場に戻るとテントが5つになっていたのだ。
俺以外のみんなはテントを建てているのだ。だけど俺は沙美のテントにお邪魔してもらうから大丈夫だろうな。
沙美に「テントにお邪魔してもいい?」と質問したら恥ずかしそうに「仕方ないわね」と渋々OKを出してくれたのだ。
川遊びも終わったから夜になるまで寝ることにした。
現在時刻20:00だ。
何やら、肉の匂いがする。
沙美が大きな声で「早くしないとお肉無くなるよ!」と忠告してくれた。
自分は焦りながらも懐中電灯を手に取る。夜の山は流石に怖いから足元や周囲を照らしながら歩いていると誰かのピアスが落ちていた。そこまで大きくは無くてキラキラした物が付いているだけだ。
川沿いに着いた。みんながBBQをしている。俺は急いで紙皿を取り肉と野菜を乗せてもらった。
だが、気になる物が一つだけあったのだ机の上に小さな小瓶が。異様にキラキラしている。金色の光沢がされている瓶だ。中身が気になるけれどお腹が減っているので今はご飯に集中した。
焼き担当の雄二さん以外はみんな満腹になっていた。余ったお肉を雄二さんが寄せてお皿に盛る。その皿には元から焼き肉のタレがかかっていた。
その時だった、雄二さんが喉を押さえながら苦しそうな声で倒れてしまった。口からは泡が出ている。
まさかと思ったがあの小瓶が関係してるのかもしれない。そう考えながらみんなで集合をしたのだ。ご飯を食べたところに小瓶が無くなっている。誰かが取ったのか?
俺と沙美で残りの3人を身体検査をした。
けれども凶器など見つからなかった。
川に流したのか?だけど川の途中には網があるからそこに引っ掛かっているはずだ。
見に行くか。10分くらいで辿り着いた。見た感じだと昼と変わらなかった。
みんなに小瓶について聞くことにした。
快時「小瓶?なんだそれ、そんなもの見てい
ないぜ」
薪「小瓶ですか?私は分かりませんね」
岾「そんなもの私に言われても分かんないわ
よ!」
優守「じゃあ、1人ずつにこのキャンプ場を選
んだのは誰なのか教えて貰いたいです
ね」
岾「キャンプ場を選んだのは雄二じゃない
の?」
薪「私も雄二さんだと思います。」
快時「キャンプ場は俺が選んだんだよ」
優守「あれ?墓穴掘りましたね。快時さんが
選んだんですか?他の2人は雄二と言っ
ているのに。犯人はあなたですよ
ね?」
快時「ち、違う!俺じゃない!確かに雄二だ
ったよな…あはは…。」
沙美「え?そうなの?嘘だよね優守くん?」
優守「これが、嘘だったらよかったのに。本
当に人を殺したんだよ?快時はね」
快時「うぅ…認める…だけど凶器はどうなん
だよ!」
優守「凶器?それならとっくに分かってます
よ。ここにはありませんね」
沙美「じゃあどこにあるの?」
優守「それじゃあ、そこで拾った沙美のピア
スを使うね。ピアスに懐中電灯の光を
当てたら…みんな離れて!」
(カラスが2羽ほど飛んでくる)
優守「これで、ピアスは無くなった!カラス
はキラキラする物を取っていくから
ね。それを見越してこのキャンプ場場に
して、小瓶をキラキラにしたんでし
ょ?」
快時「あぁ!そうだよ!トリックもその通り
だ!だけど、あいつが悪いんだよ。俺の
人生を狂わせたあいつが。どこかの村
が火事になったのは知ってるか?そこ
を火事にしたのがこの俺だ。だか、そ
の事が雄二にバレて脅しの材料になっ
て言いなりになったわけだ。そして、
ムカついて殺した。それだけだ。」
その場は沈黙となった。誰も口を開けない。開けれる雰囲気ではないのだ。
もう、夜だからみんなで寝ようと俺は提案したのだが怖いから眠れない人だっている。今日は全員でオールをして快時を警察に突き出す事にした。
後日、キャンプ場の捜査をしてて鳥の巣に凶器があったと言う。
あと、ピアスは本人の元に帰ってきたらしいのだ。
くまなく 岳者 @rimoKON14
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