ナーロッパの魔法 手段の例
『ナーロッパの魔法』の『手段』と『目的』が分かりづらいと言う方のための具体例をあげての補足です。
魔法の中には『言霊』や『文字』に秘められた力を使うと言う設定のものがあります。これはファンタジーのみならず、古代からの実際の魔術にもあるフレーバーで、典型的な『目的』をもった魔法だと思います。
『言霊』というのは口にした言葉が現実になるという類のものです。人の発する言葉には強い力があり、よくよく考えて口にするべきという考え方ですね。何かを望んで口にすることで希望を叶えたり、あるいは悪意をもって放つ言葉は人を傷つけたり。これは言葉が実際の生活にも影響を及ぼすと言う部分も含めて、魔法的な言葉かどうかに拘らず、割と根源的な『魔法』だったと思います。
『文字』も同じくですね。識字率の高さと言うのは、古代の特権階級だけのものだったと考えると、彼らだけが持つ『魔法』だったわけです。だから、ルーン文字のように一文字一文字に意味や力、神様が宿る文字が生まれたりしたわけです。
『言霊』や『文字』にはそれそのものに意味があります。敵を倒したいなら、そう言葉にしたり、あるいはその意味を持つ文字を刻んだりすることで魔法の力を得るわけです。けして『水を創造して氷にして高速で飛ばしてください』じゃないわけです。
『手段』が先にくる魔法は、SFなんかでは割と昔からあったんじゃないかと思います。どちらかと言うと、科学的・技術的な考え方ですからね。物質の中の○○を操って××の結果を出すという論理的な解決方法となり、この場合、魔法がかかるのは『××の結果』ではなく『○○を操って』の部分な点が、『目的』が先にくる魔法とは異なります。
TRPGなんかで出てきたのは『ソードワールド』あたりでしょうか? 『D&D』でもエレメンタルを操っていろいろできたとは思いますが、基本ルールで扱ったのは『ソードワールド』かなと思います。あれの精霊魔法はどちらかといえば『手段』からのアプローチのある魔法ですね。
『ソードワールド』の精霊魔法は『精霊』を使って何かの事象をもたらすという魔法です。ただ、あのゲーム自体はどちらかというとガチガチにルールで縛って『D&D』以上にGMの想定外を起こさないようにしたゲームなので、基本的にできることは『目的』としてしっかり定まってます。実際に『手段』である『精霊』を操ってできる部分はGM裁量に任されるので、『D&D』のエレメンタルの扱いと同じですね。
『ソードワールド』が発端かどうかは置いといて、ファンタジー物では『精霊』あるいは『属性』という『手段』を使って、何らかの結果をもたらす魔法と言うのはどんどん主流になっていった気がします。水魔法だの火魔法だのという考え方がナーロッパの魔法で主流なのはその辺の系譜もあるかもしれません。
最後に、『手段』が先にくる魔法は『目的』が限られてくるんですよね。例えば古典的なRPGの魔法でもあり、昔からのファンタジーでは定番の『願いの魔法』です。これは『言霊』や『文字』を使った魔法の根源的な『目的』でもありますが、これを水魔法や火魔法で再現するのはかなり困難なんですよね。目的があまりにも多岐に渡りすぎて、やろうとすれば「水要素どこいった?」みたいな話になってしまうと思います。
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